景気が悪くなると、犯罪スレスレのところで金を稼ごうという人
が登場してくるのはやむをえない。いや、これはすでに詐欺とい
う犯罪になると思われるのが「当たり屋」だ。
車にわざとぶつかり、いくらかの見舞金を受け取るのがこの商売
だが、実際は当たり慣れしていてケガはなく、ちょっと騒いで相手
をビビらせ、警察ざたにしないことを条件に示談金を受け取るわけ
だ。
これは、とてもひとりでできる仕事ではなく、何人かでグループ
を作り、当たった途端に飛び出して「これは大変だ!」とか「病院
に運んであげよう」と騒ぎ立てる役目の配役が必要になる。
交渉役は、その場を丸くおさめるのが担当で、たいていはグル
ープのボスの務める役回り。警察を介入させないことが絶対条件
だから、毅然として警察を呼ぶと対応する相手には、あの手この手
でおもいとどまらせるよう仕向けたりする。
その点から、ぶつかる相手の車の運転手選びがポイントとなる。
できれば金持ちの夫のいる婦人、。どちらかというと動転しや
すくオロオロするタイプがターゲットとなる。また、あらかじめ
住宅地などでリサーチし、行動範囲やパターンを調べておいた相手
なら、ほぼうまくいく。動転してその場から逃げ去ってくれたり
したら思うツボで、治療費名目の示談金がグンとはねあがることに
なる。
さて、車に当たる役回りの人は当たり慣れしていて、駐車場か
ら出てきたばかりのようなスピードの出ていないときを見越して
ぶつかっていくから、怪我はなし。あってもせいぜい捻挫どまり
らしい。
くれぐれも当たり屋には注意!といっても、これといった予防策
はないのだが……。