義務教育であるため、小学校と中学校の間は教科書の代金を
保護者が払わなくてもすむのが、いまの学校教育のシステム。とい
っても、教科書の代金がタダというわけではない。ちゃんと文部省
が親にかわって教科書出版社に払っているのだ。
学校は、何人の生徒にどこの会社の教科書を渡したかを文部省に
報告、その部数のぶんだけ、教科書会社に支払いが行われる
わけだ。
もちろん、それだけでは儲けは薄い。教科書である以上、そんな
に高い値段はつけられない。価格決定については、文部省に教科書
会社でつくった協会が原案を申請して許可をもらわなければならな
いから、あまり高いと受け付けてくれないのだ。
教科書だけでは、30万部売れれば採算がとれる程度の価格に
なっているが、実は儲けが大きいのはその教科書に関連した教材
CDや資料集、参考書のほう。
しかも、いったん「ウチの学校はこの会社の教科書を使う」と
決められると、4年間は見直しがない。一度売り込みに成功しさえ
すれば、とりあえず4年間は何かしらの教材も売れ続ける。
しかし、もし売り込みに失敗して、自社の教科書を使ってくれる
学校が少なければ、30万部にも届かないことになる。教科書会社
の営業マンたちが苦労するのは、その点らしい。