戦闘機のコックピットは、とにかく狭い。パイロットは、まず
そのコックピットの狭さに耐えなければならない。
なにしろ、標準的な射出座席の幅は約50センチメートル。
大柄なパイロットでなくても、飛行服やパラシュートを装備して
乗り込むだけで、一苦労である。足を伸ばそうと思っても、フット
ペダルがあるので、それもできない。
しかも現在は、目的空域に到達するまでの巡航飛行は、コンピュ
ーターまかせのオートパイロット。何もせずとも順調に飛んでくれ
る。それだけに目的空域に到着するまでは、狭い空間でひたすら
我慢することになる。
いってみれば、高速道路を快調に走るクルマの運転席に座って
いるようなものだが、クルマと違うのは、疲れたからといって
サービスエリアへ立ち寄れないこと。コックピットにはエアコンが
備え付けられているが、太陽が照りつけるので、たいていはポカ
ポカとした温室状態。ついウトウトしてくるが、眠るのはもちろん
軽く体操をするわけにもいかない。そのため、眠気をまぎらわせる
ためにガムを噛んだり、無線を切って歌をうたうパイロットもいる
という。2人乗りの場合は、前後で世間話をして、ヒマつぶしや
眠気覚ましをしていることが多いそうだ。
いっぽう、輸送機や哨戒機といった大型機は、機内にギャレー
(調理室)や、トイレもある。たとえば、ロシアの2人乗りの
爆撃機Su-34には、簡易トイレと電子レンジ、冷蔵庫があり、
熱々のボルシチも食べられるという。また、左右の座席のあいだに
身を横たえれば、交代で仮眠を取ることも可能となっている。