▽呼び名だけでなく勤務形態が異なる
▼交代制の交番と24時間勤務の駐在所
お巡りさんの詰所には「派出所」「交番」「駐在所」などの
呼び名がある。これは話をする年代や地域などで異なる場合も
多く、方言だと思っている人も多いのではないだろうか。だが
実はこれらの呼び名はそれぞれ違った意味を持つのだ。
まず派出所は、1881年にお巡りさんがパトロールを行う
ための拠点を建設されたのが始まりである。当時はこの建物を
「巡査派出所」と呼んでいたが、お巡りさんが決められた交差点で
立ち番をしていたことから、「交番」という俗称で親しまれる
ようになる。そして1994年、警察法の改正とともに交番が
正式名称となり、派出所という呼び名は現在では使われていない。
交番と駐在所との違いは何かと言うと、勤務体系にある。マンガ
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」を例に挙げると、主人公の
両さんらは、毎日交番(派出所)へ通勤している。また、物語
の中では「勤務の交代」という描写もよく目にする。
このように交番とは、「交代で番をする場所」なのである。
警視庁ではおもに4交代で番に当たり、時間帯によって勤務して
いるお巡りさんが違うことになる。
一方、駐在所とはお巡りさん一家が住み込みで勤務している
場所だ。任務は地域のパトロールなど交番のお巡りさんと
変わらないが、パトロールの間に無人となる駐在所には家族が
待機し、番に当たらなければならない。また、夜中などでも
事件が起これば駆けつけなければならず、24時間勤務が基本と
なる。そのため人口が多く、事件の多い場所に交番を設置し、
比較的人口の少ない山間部や島などに駐在所を置くのが一般的だ。
三代に渡って警察官の職務を全うし映画化もされた「警官の
血」という小説がある。映画は見てないのだが、小説で読んだ。
大河小説だ。駐在所勤務の場面もでてくる。たいへん面白かった。
著者は佐々木譲氏である。
また駐在さんは、地域に密着して勤務することから、冠婚葬祭
の贈り物は受け取ってくれるのかというと、そんなことは
絶対にない。収賄になるからだ。気持ちだけ、ということで
24時間勤務しているのだ。正直に「偉い」と思う。
ツレのおーちゃんも小平市の駐在さんに世話になったとき、
お礼に、お中元だったかお歳暮だったが忘れたが、贈り物を
しようとしたら丁重に断られたと言ってた。
<交番>
勤務人数 3人程度
勤務体系 3~4交代制
おもな所在 都心部など
備考 3人以上で構成された班が交代制で24時間
勤務に当たり、巡回や立番は班の中で分担
される。
<駐在所>
勤務人数 1人
勤務体系 24時間勤務
おもな所在 山間部や離島など
備考 住み込みで勤務し、駐在している警察官の巡回
中は、家族が代わりに駐在所の番を行わなけれ
ばならない