▽5 一兵卒に至るまで奮い立たせたのは乃木の器量 | ぐーすけとりきのブログ

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 「勇将の下に弱卒なし」という格言がある。旅順のあの異常な
先頭の真っ只中で、乃木が少なくとも外面的には平常心を
失わず、2人の息子が戦死したときも顔色一つ変えず、司令官の
職務を全うしたということ、これこそがまさに第三軍の士気を
高め一兵卒に至るまで愛国心の塊と化して奮い立たせた原因で
あり、ここにこそまさに乃木希典の将に将たる所以があるといえ
よう。


 203高地を巡る日露両軍の攻防戦の描写は「坂の上の雲」
全編を通じてまさにハイライトであり、手に汗握るクライマックス
の場面である。だがしかしこれを登場人物の役割・構成面から
見れば、ほとんど司馬氏の創作であり、フィクションであると
いってよい。乃木希典と伊地知幸介をまるでバカの骨頂であるか
のようにこきおろし、児玉源太郎をあたかも神のごとくに賛美
しているが、司馬氏はこのくだりを書くにあたって、参考文献
として引用した「機密日露戦史」(戦前の陸軍大学で教材として
使われていたもの)をほとんど丸写しにしているものと思われる。
しかもそれを、この文献の本来の意図とは異なる、彼独自の思い
入れと想像力で脚色したために、史実と異なる「物語」に
なってしまっているのだ。