スポーツの大会で、オリンピックと並んで世界の
注目を集めるのが、サッカーのワールドカップ。
オリンピックが1都市だけで開かれるのに対して
ワールドカップは、開催国の10以上の都市で開
かれるから、ある意味でオリンピック以上の大規
模なスポーツの祭典といえるかもしれない。
ことに、中南米諸国や南欧諸国のようなサッカー
好きの国々では、ワールドカップの熱狂ぶりは、
日本人の想像を超えるものがある。
ワールドカップの予選がきっかけで、戦争まで
起こってしまうのだ。
1969年、翌年のワールドカップ・メキシコ大会
の出場を争う、北中米カリブ海地区予選でエルサド
バドルとホンジュラスが対戦した。第1試合はホン
ジュラス、第2試合はエルサドバドルがそれそれぞ
れ勝利をおさめ、決戦の第3試合は、接戦で延長の
すえ、エルサドバドルが勝利した。
これがきっかけで、両国の関係が悪化。大使館同士
の話し合いが不調に終わると、ホンジュラスがエル
サドバドルとの国交断絶を宣言し、その後、ホンジ
ュラス空軍がエルサドバドルの国境警備隊駐屯地を
爆撃したのを皮切りに、その10日程後には、本格
的な戦闘状態に入ってしまったのである。
もっとも、この戦争の原因が、ワールドカップだけ
にあったわけではない。エルサドバドルから数十万
人の難民がホンジュラスに流入するなど、国境を接
する両国の間には、国境問題による対立が続いてい
た。
一触即発の状態にあったところに、ワールドカップ
予選の試合結果が引き金となって、戦争になったの
である。