【横浜地判平成7年3月28日】
病院に勤務する医師が、末期症状の患者の長男から要請を受けて、
心停止の副作用のある薬剤を患者に注射して、
同人を死亡させたという事例である。
判決は次のようにのべた。
①患者が耐え難い肉体的苦痛で苦しんでいること。
②患者は死が避けられず、その死期が迫っていること。
③患者の肉体的苦痛を除去・緩和するために方法を尽くし
他に代替手段がないこと。
④生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示があること。
そして、本件では①③④がなかったことから
違法性阻却を認めず、殺人罪の成立を肯定した。
本判決に対しては、末期症状の患者は意識も疼痛反応も
ないのが通常であるから、苦痛除去の処置をとることも
承諾を得ることも考えにくく、事実上末期患者に対する
安楽死を否定したに等しいという批評がある。
なお、自殺は違法性がないから犯罪にならない。
もし、罪になるとしたら
毎年3万人の殺人者が発生することになる。
念のため。