ときは6月、お中元の季節がやってきた。
昨年の秋から、大変おせわになっている役所のかたがいて
御礼をしたいのだが、贈賄にあたらないか心配で、
ちょっと調べてみた。
通説は、社交儀礼の範囲内にある贈与は、職務行為と対価関係にあったとしても
賄賂にはあたらない、としている。
ひるがえって、判例の大勢は対価関係が認められる限り、額の大小を問わず賄賂に当たるとするようである。
「いやしくも、公務員の職務に関し授受せらるる以上は賄賂罪の成立すること勿論にして(中略)公務員の私的生活に関する社交上の儀礼による、贈答たるに止まるものではない」
しかしこれは戦前、大審院のころ判例で、昭和50年に新しい判例が出ている。
中学校の教諭さんが、親御さんから頼まれて、指導時間外の深夜の宿直時間や、私生活の時間を割いて学習指導した事に関し、親御さんから小切手1万円もらったというものである。(当事としては1万円はかなり高額である)
一審。原審も有罪を認めたのに対し、最高裁は次のように結審した。
「私的な学習生活上の指導に対する感謝の趣旨と、敬慕の念に発する儀礼の趣旨にでたものではないかと思われる」として、原判決を破棄し、事件を原審に差し戻した。
だがこれによって判例変更されたものとは、思われてはいないようだ。
問題の総論は、大審院の判決で決定しており
時間外学習の件は、あくまでも各論であるみたいである。
だから総論として、公務員さんへのお中元は贈賄に当たるのである。
おせわになった公務員さん、本当にありがとうございました。
この場を借りて、御礼申し上げます。
又、民間の病院にも世話になっており、
公務員ではないから贈賄には、ならないだろうと思って
お中元を持っていこうとしたら
「それによって便宜をはかったのではないか、と思われる恐れがあるので
もってこないでかまいませんよ。我々は仕事でしていることなので」
といわれた。
まさに医は仁術である。