その種目が必要とする体型…その種目に求められる身体機能が体型に現れているからです。
自転車競技のスプリンターでも、ロード選手とトラック選手で全然体型が違いますしね〜
『男女一流自転車競技選手における筋の形態的特徴と 自転車エルゴメータのパワー発揮能力との関係』
池田 祐介ら、2013
↑この論文(及び引用文献)によると、自転車トラック短距離には大腿前面(大腿四頭筋)と大殿筋はもちろん、内側ハムストリングス(半腱様筋・半膜様筋)、腸腰筋(特に大腰筋)、体幹部では特に外腹斜筋、脊柱起立筋が重要とされています。
トラック短距離選手は脚はもちろんですが、背中の背筋群は盛り上がってる選手もいますね(^^;;
このうち着目したいのは大腰筋です。
大腰筋を含む腸腰筋は、フィクスドギヤであるピストバイクでは特にペダリングで重要な役割を果たすと思います。
ペダリング8時から10時までハムストリングス、10時から12時までに腸腰筋が作用しています。
(大腿筋膜張筋、縫工筋まで‼️)
発揮される筋力は大腿四頭筋や大殿筋よりは小さいようですが、所謂「引き脚」が遅れてお荷物になるとフィクスドギヤのピストバイクでは大きな減速因子となります。
また、腸腰筋はペダルを踏み込む際に、大殿筋と大腿四頭筋を有効に作用させるのに重要と考えられる筋肉です。
股関節は、パワーポジションと呼ばれる最も力のかかりやすい肢位があり、これを保持しながら強く踏み込むのに重要なのが大腰筋だと考えています。
トップレベルのトラック短距離選手の股関節周囲、腰周りが太く見えるのはこの腸腰筋や殿筋群、腹筋群が十分に発達しているからです。
そして、これらの筋群を鍛える事は速くなるための必須項目だと思います。
最大筋力の向上にレジスタンストレーニング(負荷運動)は重要です。
特に股・膝関節屈曲と体幹は大腿四頭筋などと並んで重要だと感じます。
しかも……
以下、冒頭の論文より抜粋
『空気抵抗については, 速度の 2 乗に比例して大きくなるが,転がり抵 抗(Rr=k・TM,TM:乗り手と自転車の総重量, k:比例定数)については,di Prampero et al. (1979) が乗り手と自転車の総重量がころがり抵抗に与える影響について検討し,体重差6kgによってもたらされる転がり抵抗の違いはわずか3.2Nであり,重量の増加による走行速度への影響は小さいことを報告している』
という事は、短距離においては多少は脂肪もついても仕方ないから、合計6kg増までに抑えて上記の筋群の筋肉量を増やした方が、無理に減量するより速くなれるのかもしれません(^^)