湘南国際マラソン | 1950

1950

1950年生まれの生き方 / 粋肩 / 息過多 / 逝き方

11月3日(日)は、第8回湘南国際マラソンに参加した。

僕にとって、初めてのフルマラソンだ。
会場までのアクセスが不便なので、経験者の植手さんのアドバイスにしたがって、湘南台からの専用バスを利用した。

料金が2100円と電車を使うより割高だが、すわってそのまま会場の大磯プリンスホテルに乗り付けるので、大変便利。レース前に足を休めておきたい選手にとってはありがたいサービスだ。

到着すると、そこは
「リタイヤバス降車場」。

1950-バス着

ちょっと縁起が悪いね。
レースには数箇所の関門があり、所定の時間までに通過できないと「リタイヤバス」に乗ってスタート地点に戻ることになる。
そのバスが着くのがこの場所だ。

レース中は、できればお世話になりたくないところ。

さて、会場内に入ると既に、人、人、人。

1950-大混雑

更衣室、荷物保管所、売店、トイレ、そしてスタート集合所の間を移動しなくてはならない。
よく考えないとかなり時間のムダになる。

ルネチーム集合。

1950-ルネ軍団
(+あべちゃん)

スタートが近づくと、ブロック別に整列してスタート地点に向かう。
ブロックとはスタートの順序を示す区分で、自己申告のフルマラソンのタイムに応じて、速い人は前、遅い人後ろになるように割り当てられている。

僕は参加資格ギリギリの控えめのタイムで申告したので、いちばん後ろのGブロックだ。

こゆみさまとチチカカさんも同じくGブロック。

1950-3人

ふたりとは、エアロ仲間であり、ラン仲間であり、そして6月1日のエントリ開始の夜、6時間の格闘の末、なんとか一緒にエントリした仲間。

チチカカさんは、僕と同じく、フルマラソンは始めて。
こゆみさまも、東京夢舞いマラソンに続いて2回目。

号砲の9時になっても、列は動かず、やがてゆっくり進むが、スタート地点に行き着かない。
なにしろ、フルマラソンの部門だけで18000人が走るのだから仕方ない。
経験者から聞いていたし、仲間が一緒だからリラックスして待つ。

20分を過ぎたころ、ようやく「スタート」の看板が見えてきた。

いよいよ走り始める。

1950-START

はじめは、周りは同じGブロックのゼッケンばかりだったが、20分も走るとEとかFのゼッケンも混じってくる。

ふと前を見ると、「ゆっくり走ろう」。
1950-ゆっくり

レースのための交通規制で通行止めとなっているが、表示板まではいじってられないのだろう。

このレースのコースは、大磯プリンスホテルを出て東に向かい、江ノ島で折り返して戻り、スタートした大磯付近を2キロほど行き過ぎてから、再度折り返して、大磯プリンスホテルでフィニッシュだ。

1950-マップ
http://runkeeper.com/user/HiroshiKushima/activity/265624019

およそ3~4キロおきに設置されているエードコーナーでは、水だけでなくレーズン、バナナ、パン、おにぎりといった食料も提供される。
でも、遅くなると食べ物はなくなってしまうということを聞いていたので、自分でもポーチでカロリー源を持っていくことにした。

1950-ポーチ

パワージェル×3、カフェインジェル×3、ソイジョイ×1
他に、スマホ、メガネ、ロキソニン、安全ピン、ニトロを収納。

(実際はジェルが写真より1本ずつ多い)

直前にアマゾンで980円で買ったポーチだが、なかなか具合良かった。

実際は食料は豊富に用意されており、足りないということはなかった。
10キロ地点でパワージェル、20キロと35キロでカフェインジェルを投入。
かなり余ってしまった。
でも、僕はシャリバテに弱いから、安心料と思えばいいのだ。

江ノ島で折り返して間もなくの地点で、ウエちゃんが撮ってくれた写真。

1950-うえちゃん

コース全体のちょうど半分付近なので、まだまだ元気。

やがて、反対車線をゆっくり走ってくるリタイヤバスが見えた。
絶対に、アレに追いつかれてはならぬ。

しかし、25キロを過ぎるあたりから、おなじみのピクピクが始まった。
足がつる前兆だ。
給水のたびに止まって、軽くストレッチやマッサージでなだめる。

28キロ。
およそ3分の2だ。

給水のたびに、その周辺で休憩したり、ストレッチやマッサージをする人が増えてくる。
さらに、給水所以外でも、道端でケアをする選手がチラホラ。

つらくなるのはみんな一緒なんだな、と変に安心する。
僕はまだそこまでヒドくないぞ、と自己中心的な自己暗示で気力を保ってみる。

コース上には1キロごとに距離表示が出ている。
ガーミンウォッチと、距離表示板を見比べ、1キロずつ心待ちにしながら、とにかく進む。

前半は、キロ6分半ぐらいを目安に走ってきたが、だんだんペースも落ちてくる。
「あとは歩いても制限時間内にゴールできる」という計算が頭をよぎるが、スタッフの掛け声に我にかえる。
「皆さん、マラソンですよ! ゆっくりでも、とにかく走りましょう!」

要所要所で、オールポーツの撮影チームが選手を撮影している。
そこだけは、元気一杯のポーズを気取ってみる。
内心はヘロヘロだけど、外形を作るだけで気力を持ち上げることもできるのだな。

沿道で応援している子供たちには、ハイタッチをして、さも元気そうに走ってみる。

「あと4キロ」という看板があった。

「お、もうそんなに来たか」とよく見たら、ハーフかなにか別の部門の看板だった。
しゅん。

給水所で「あと7キロ」というスタッフの声を聞いてからが長かった。

次の給水所まで5キロほどあり、のどは渇くし、足は今にもつりそうだし、いや軽くつってるし。

やがて、右手に大磯プリンスホテルが見えてくる。
大勢の人々が選手に声援を送っている。
スタッフの声が聞こえる。
「あと5分!」

でも、それは、ここからさらに走って折り返し、あと5キロぐらいも走って、反対車線からまもなくゴールいう選手たちに向けられたものである。
僕にではない。

ここがいちばんつらいというのは前もって聞いていた。

確かにその通りだ。

だんだん歩く人も増えてくる。
でも、僕は走るぞ。
歩いてるように見えるかも知れないが、走っているんだぞ。

第2折り返し点からゴールまでは3キロ弱。
かろうじて「走って」ゴール。

ネットタイム(実際にスタートラインを通過してからの時間)は、5時間00分16秒。

沿道では、ルネの仲間やラン仲間たちがたくさん応援に来てくれていた。
残念ながらお互いに気づかなかった場面もあったろうけど、顔を見て声援にこたえたり、ハイタッチをするだけで、元気が出た。
みんな、ありがとう!

ゴール後は、フィニッシャーメダルをもらい、荷物置き場に向かう。
$1950-メダル

朝と同様の混雑の中で、強烈に足がつった。
しばし、立ち止まって、嵐が過ぎるのを待つ。

立ち止まるのは迷惑。
でも仕方ない。

荷物を回収したが、着替える気力もない。
汗まみれのウェアのまま、ルネチームの陣地に戻ることにする。

階段の途中でも、また強烈につり、ストップ。
通行人にはいい迷惑だ。

仲間はみなゴール済みで、陣地では、すでに宴会が始まっていた。

$1950-プチ宴会




あしあしあしあしあし

思い起こせば、今年の1月4日金曜日。

エアロ後にかけつけた深夜の飲み会で、チチカカさんとニシキさんを前に
「今年中に40キロ走る」
と宣言したのが始まりだった。
酔いの勢いだったかも知れない。

必ずしも、レースに出るというのが目標ではなかった。

でも距離を伸ばす練習をしているうちに、色々な課題が分かってきた。
体と心の微妙な駆け引きみたいなものの面白さも感じてきた。

そして、熟練ランナーたちのブログや話から、
「やはり、レースに出ることを目標にするのが手っ取り早い」
と感じたのだ。

「初フルは、湘南がよい」
というヤットさんのアドバイスを伝え聞いて、あまり成算もなくエントリーしてしまった。
夏場の暑さをかいくぐって練習し、なんとか今日の日を迎えたわけだ。

運動音痴、体育嫌いの僕が、
エアロにはまり、
腰をくねらせてリトモスで踊り、
そして、いまやフルマラソン!

僕を昔から知る人々はみなビックリするが、いちばん驚いているのは僕自身。

まったく、人生とは分からぬものだ。