【あとぴーフリーコム連載】~アトピーとココロ No.1『がんばり教』~ | 【ココロと友達】大人の自己肯定感を育てる専門家かとちゃん

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うつや病気で休職3回を経験。今は心理カウンセラーとして優雅に生きるかとちゃんが、「自己肯定感の育てかた」をお伝えしています。

日本最大級のアトピー性皮膚炎患者団体
アトピーフリーコム
会報誌 『あとぴーフリーコム第28号』
より連載開始し、掲載されたものです。




◎連載エッセイ◎
かとちゃんの心理学エッセイ
~ アトピーとココロ ~ No.1~ 『がんばり教』


 はじめまして。心理カウンセラーの加藤隆行(かとちゃん)です!
アトピーにはココロが大きく関係してるってよく言われますよね。もちろん食べ物やアレルギーなど様々な要素もからんできますが、悪化させる主要因のひとつにストレスがあることは誰しも思い当たるところかと思います。ココロのツラさが改善されれば必ずと言ってよいほどアトピーにも良い効果がもたらされます。私の連載エッセイでは、アトピーの人の心理状態を紐解きながら、アナタのココロを緩めるお手伝いをしていきます。


■ 『がんばり教』 ~ 自己紹介を兼ねて ~

 これまでたくさんのアトピーの方とお会いしてきた中で“がんばっている人”が多いなあって感じています。「がんばる」って美徳な部分でもあるんですが、アトピーの方は人よりちょっとがんばり過ぎちゃう傾向にあります。私はこのような状態を自戒の念を込めて『がんばり教』と呼んでいます。
 そして私も全くの『がんばり教』でした。重症のアトピーにもかかわらず幼少期から勉強やスポーツにとよくがんばり、会社に入ってからは人一倍仕事をがんばりました。しかし働き過ぎてアトピーが激烈に悪化、結局3回も休職することになってしまいました。
 14年前、一度目の休職の時に30年間使い続けてきたステロイドをやめました。そして1年間の療養ののちにアトピーも痒みも一切ないカラダを手に入れたんです。なのにまた無理してがんばってしまいアトピーが再発してしまうというのを繰り返しました。それで治療法ももちろん重要だけどもココロを治すのはもっと大切かも、って思ったわけです。


■「えー、私がんばれてない…」って人へ

 さて、こういうコトを書くと、「私、全然がんばってないんです。」「アトピーがひどくて働けてないんです。」なんて返事が帰ってきます。でもそんな人も実は立派な『がんばり教』の可能性があります。
 これはウツの人も全く同じなんですが、実際の“結果”としてがんばれているかどうかは問題ではなく、「がんばれない自分に価値がない」と思っているそのココロが、自分を責め続けているんですね。自分で自分を「そんなんじゃダメだ」とジャッジ(判断)し続けているんです。これは苦しいですよね。
 また『がんばり教』の人はがんばることがあたりまえ過ぎて、自分ががんばっていることにさえ気がついてない場合も多いんです。アトピーの人は小さな頃から「掻いちゃダメ」と言われてがんばってきたし、ツラい身体にムチ打って仕事をがんばるのも当たり前、症状が重ければ息するだけでもがんばる必要がある。だから自分を抑えて「がんばる」ことに慣れすぎちゃっていて、ムリすることへのセンサーが鈍くなっています。「アトピーは甘えだから」「なぜだか自分を犠牲にしてしまう」なんて人は要注意です。


■ 『がんばり教』とストレス

 なぜムリしてがんばってしまうのでしょうか。「がんばる」には実は2種類あります。「恐れ」「不安」「劣等感」「罪悪感」などのマイナス感情をベースとしたがんばりと「楽しい」「嬉しい」などプラス感情をべースとしたがんばりです。
アトピーの人はこの前者の人が圧倒的に多いと思います。「アトピーなんだから、人より働いて仕事ぐらいは認められなければ。」「アトピーがひどくなると働けなくなっちゃう。だからがんばらないと。」そんなマイナス感情がベースとなってがんばる。
じゃあアトピーが治ればがんばらないんじゃない?と思いがちですが、前述したように一度アトピーが全快しても、そのがんばりのクセが抜けないという私の例もあります。なのでアトピーが原因というよりも、アトピーも含め長きに渡り培われた気質・性格と言った方がしっくり来ます。
 その性格が出来上がっていくプロセスについてはまた次回にでも詳しくお話したいと思いますが、「恐れ」「劣等感」などが原動力となっているがんばりが、自分にとって大きなストレスとなっていくというのは容易に想像できると思います。


■ がんばり教のゆるめ方

先ほど“ジャッジ(判断)”という言葉を使いましたが、アトピーの人は自分を責める傾向がとても強いです。「こうあるべきだ」「こうあらねばならない」という自分の中の法律・ルールが厳しい。そしてその「がんばり」は間違いなくご自身のストレスとして蓄積されていきます。
アトピーである自分はそうやって自らを律しないと社会で生きていくことができなかった、と思う人も多いかもしれません。でもアナタはすでにがんばり過ぎています。その「がんばり」一度手放してみましょう。簡単なワークを2つ用意しました。ぜひできるところからやってみてください。

 【① 自分を許す】
・ 「私もう十分がんばったよ」と何度も何度も声に出してつぶやいてみてください。
・ 小さな頃の自分を想い描いて「よくがんばったね」って抱きしめてあげてください。

 【② 「べきねば」をゆるめる】
   自分の中の過剰なルールをゆるめます。自分の中にある「アトピーで寝られなくとも朝、遅刻すべきではない」「アトピーだから人一倍がんばらねばならない」などのルールを紙に書き出してみてください。そのほとんどがアナタがガチガチに厳しくしたルールですので、一度逆をやってみるとそれがゆるむのを感じられると思います。思い切ってたまには遅刻してみてください。
   また、「アトピーでも自分のことは自分ですべき」をやめて、人に頼ってみてください。アナタが「迷惑かも」と思っていることは、ほとんどが『がんばり教』が作り出した行き過ぎた“妄想”です。アナタは人に頼られると嬉しいですよね。なら人もそうなんです。罪悪感を持たずに思い切っていろいろお願いしてみてください。がんばれない自分でも愛されていることが実感でき、周囲への感謝があふれてきます。残業せずに帰ることもできますよ!


■ 最後に

治すために一生懸命アトピーに関する知識を仕入れ、食事制限もがんばって、部屋もチリひとつなく掃除して…と、もちろんそれはいいコトなんです。でもがんばってもがんばってっても改善されない時には、そのがんばりをやめてココロとカラダを緩めてあげることが、アナタの治癒への最良の道かもしれません。
まだまだ分からないことも多いアトピー性皮膚炎の世界ではありますが、自分を責めず、他人と比べず、隣人たちの力を借りながら、その上で自分で対処していくことが大切です。
アトピーで苦しむアナタが笑顔になれますように。(^^)


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