離婚成立から3年経った。

振り返れば、夫がいなくなって困ったことなど、一つもなかった。
むしろ、いなくなってから初めて「人間らしい生活」が始まったと言ってもいい。

婚姻中は、
常に「この男、また何かやらかしてないか?」と全身の神経を張り巡らせて生きていた。
毎日が、フルタイムの監視業務だった。
睡眠時間すら削ってでもレーダーを張り続けなければ、いつどこで何を仕出かすかわからない。
思い出すだけで胃が締めつけられる。

よくあれを何年も耐えられたな、と自分の精神力にむしろ恐怖を覚えるほどだ。

今は、
嘘を疑う必要も、警戒する必要も、探る必要も、問い詰める必要もなくなった。
この静寂と解放感は、何物にも代えがたい。

あの男がいないだけで、人生がこんなに軽くなるとは——
離婚してからようやく知った事実である。