毎日、忙しい。
仕事と家事でフル回転してたら、一日があっという間に蒸発してく。


元夫みたいに、
複数人と同時進行で不倫しまくる暇なんて、微塵もない。


たとえ時間が余っていたとしても、
絶対にやらないけどな。


……あのクズ、相当暇だったんだな。
本気で仕事に全力投球していたら、
何年も何年も不倫を続けるなんて無理だろ。
しかも同時進行で複数人とか、
頭がおかしいレベルだ。


そういえば、
出張先に不倫女を連れていたらしい。
あの口の軽い女が、自慢げに喋っていた。


仕事用の車のダッシュボードには、ラブホのサービス券が何十枚も入ってた。
日付を従業員の給料明細の控えと照らし合わせたら、全部「夜勤」の日。
夜勤だと言って家を出て、
従業員だけを現場で働かせて、
自分は不倫女とラブホに行ってたわけだ。


不倫も仕事も全部ごちゃ混ぜにして、倫理もルールも「知らね」って感じで生きてたわけだ。


元夫、問題の種まき機みたいだけど、仕事だけは真面目だと思ってたのに。
その唯一の取り柄ですら、全部嘘だった。


不倫で裏切られたことも、ショックだったけど、
でもそれ以上に、
仕事を真面目にやっていなかったという事実が、
胸をえぐられるほどショックだった。


不倫は軽蔑の対象だ。
だが、仕事を舐めている人間は、
人として、吐き気がするほど軽蔑する。


……思い出すだけで吐き気がするから、この辺でやめておこう。