single oversized chip | ALL IN 〜テキサスホールデムでBR$20,000への道のり〜

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アメリカでポーカーディーラーを本業、ポーカープレイヤーを副業にしています。

ポーカーはガチでやっているのでHOLD'EM好きな方、興味のある方は気楽に読んでいって下さい゜*。(*´Д`)。*

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今日はsingle oversized chip ruleについて話します。

このルールの知名度:★★★★★

このルールはとてもよく知られているルールなのですがカジノでプレイしたことのないプレイヤーがよく引っかかるルールです。






例えばゲームが$1/$2NLHEのキャッシュゲームだとしましょう。

SBとBBがブラインドを出しますね。

そこでUTGが何も言わずに$5チップを前に放り投げます。

ブラインドは$2なのに$5チップを放り投げたこのプレイヤー。

さて、これはコールですか?それともレイズですか?


















答えはコールです。

$5にレイズ、ではありません。


ベットに対してこういった一枚のoversized chip(額の大きいチップの事)を何も言わずに放り投げたらそれはコールなのです。

仮にこの人が何も言わずに$100チップを放り投げてもそれは$2のブラインドをコールしただけ、となります。






「何も言わずに」「一枚」がキーワードです。





例えばこのプレイヤーが「レイズ」と宣言して$5チップを前に放り投げたら?

言わずもがなです。それは明白なレイズとなります。




ではこのプレイヤーが$5チップを一枚ではなく二枚、何も言わずに前に放り投げていたら?

これもレイズです。この場合、放り投げたチップは一枚ではなく複数なのでsingle oversized chip ruleは適用されません。







次の出来事は頻繁に起こる事です。


例えば$1/$2NLでプレイヤー何人かがコール。
そしてSBが↓の様にブラインドを前に置いています。

{E08C3F04-8A2A-4C04-ADAA-757367A6A9E6:01}




そこで彼は$5チップを一枚掴み取って何も言わずにこのように前方に放り投げてこの様になりました↓

{A06C149A-6E00-4E2C-8D57-DC3F8C27EE3E:01}




さて、これはコールですか?レイズですか?
























答えはコールです。

$6にレイズ、ではありません。

これは本当によく起こる事です。



single oversized chip ruleというのはプレイヤーが前に放り投げるチップに適用されるルールです。

この例の場合、プレイヤーは何も言わずに$5チップというチップを一枚だけ放り投げました。

というわけでsingle oversized chip ruleが適用され、コールとなります。

このプレイヤーは十中八九$6にレイズしたかったんでしょうがここはコールしてもらう事になります。




このルールは何のためにあるの?

上記の例で$5チップを放り投げた場合、そのプレイヤーは
①$6にレイズしたくて$5チップを放り投げた
②コールしたくて$5に投げた($5チップを放り投げたのは$1チップを持っていなかったから、あるいはお釣りが欲しかったから)

これのどちらかに当てはまります。
このsingle oversize chip ruleがなかった場合、ディーラーは毎回そのプレイヤーに「それはレイズですか?コールですか?」と聞かないといけなくなりますよね。

それがいけないんです。
ディーラーが毎回そうやって問いただしたらそのプレイヤーは相手プレイヤーの反応なんかを見て自分の都合に合わせて答えを変える事ができます。

ポーカーというゲームは相手の反応なんかも大事な要素の一つですからね。














ではこの場合はどうでしょうか。
これも割とよく起こることです。


トーナメントでブラインドは$100/$200。


プレイヤーAが$425にレイズ。

プレイヤーBは$1000チップと$25チップの二枚を放り投げました。


このプレイヤーBの行為はコールかレイズ、どっちになるでしょうか?
























正解はレイズです。

先ほど言ったようにsingle oversized chip ruleというのは前に放り投げるチップに適用されるルールです。

この場合、このプレイヤーは$1000チップと$25チップの二枚を前に放り投げました。

二枚放り投げたのでsingle oversized chip ruleは適用されません。

寄ってレイズになります。



そして経験上このプレイヤーがしたかったのはレイズではなくコールである事が非常に多いです。

このプレイヤーは$1000チップ一枚だけ放り投げるとディーラーは$575というお釣りをそのプレイヤーに渡さないといけなくなります。

しかし$1025放り投げたらディーラーはそのプレイヤーに$600のお釣りを渡したらいいだけって事になります。

確かにその方がディーラーもちょっとだけ楽になるしゲーム進行も捗ります。

そしてこのプレイヤーもsingle oversized chip ruleが適用されるからこの行為はディーラーにレイズと判定される事はないと思い込んでいるわけなのです。

しかし残念ながらそれは違います。

Single oversized chip ruleは適用されず、これはレイズです。




レイズしたかったのにディーラーにコールと判定されたりコールしたかったのにレイズと判定されたり。

ポーカーのルールに精通していないプレイヤーからしたらちょっと理不尽な話です。

しかしポーカーというゲームはシビアでカジノでプレイしていて「そんなルール、知りませんでした」と言い訳しても無駄なのです。



カジノにある様々なゲームの中でポーカーは最も素人に優しくないゲームといえるでしょう。