今週の公休日は雨ということもあり、こちらの文庫本
三陸海岸大津波 吉村 昭 文春文庫。
これを読みました。著者は既に2006年没の故人で、この作品はこの度の震災以前に49000部売れており、
震災以降は50000部増刷され、著者奥様の意思により、この作品の印税は震災の復興に寄付されるそうです。
内容は明治29年の大津波、昭和8年、昭和35年のチリ地震による津波被害を経験したかたから聞いた話、
当時の小学生の作文、いろんな記録を紹介するドキュメンタリーになっており、
今となっては、明治29年の津波を体験した方、インタビュー時期は昭和35年頃に80代の方となれば貴重な記録だと思います。
これを読みながらまず思ったのは、明治の津波の描写、事実、標高50mの家屋に津波が浸入していた事や(津波の高さは50m?)
時代背景からしても、明治の被害がかなり甚大であること、(実際22000名もの方が亡くなっています。)
読み進める時に今回の被害や映像が、かなり被ります。
よく今回の災害は、想定外だとか、未曾有だとかの言葉が使われていますけどこの小説を読んだ後にそんな単語は出てこないと思います。
もしこの本が東北地方の学校で、教育の一環として使われていたとしたら、もっと東北地方の地方自治体、関係者、その他の人が目を通してら、違う結果があったのではと思わせる一冊でした。
明治29年以前の三陸の津波の歴史や、南の端は、石垣島の津波の事にまでふれているので、是非出来るだけたくさんの方にこの作品を読んでいただきたいと思った、今日の記事でございます。
三陸海岸大津波 (文春文庫)/吉村 昭
¥460
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それでは