意外な容疑者 3
「そしてもう1つ教えてあげる。例え車のナンバーが分かったとして、白い車の持ち主が殺人犯だという証拠もないから警察も協力できないのよ。残念だったわね」
「では黒い方を!」
「それは捜索中よ。せめてあのダメ男がナンバーを1桁でも見ていればもっと早いうちに分かったのに」
「……」
まさかの一発大逆転。
ここまできて真犯人が誰なのか、分かっていればすでにその人物を捕まえているはずです。しかし、それらしい人間についての討論は一度もありませんでした。
分かっている情報は2つ。
父と母を傷つけた人物が白と黒の高級車に乗っていたこと。そして犯人は足に傷を負っていたこと。
そういえば……1人だけいます。
足を怪我していて、高級車に乗ることが出来て、なおかつ1度も議論にあがっていない人物。
今までは事件と無関係だと思っていたのですが、これほどまで今回の件に一致した条件はもはや偶然とは思えません。
僕は裁判長を見上げます。その人物の事をいうにはためらってしまいますが、少年の方が僕に気付いて、カンッ、と木槌を打ちました。
「悠一兄ちゃんが何か思いついたみたいだね~」
できれば間違っていてほしい、とも思いました。
〔つづく〕
登場人物
遠崎悠一 主人公
藤堂奈々 ナナさん。弁護士藤堂姉妹の三女
裁判長 十代で裁判官になった天才少年
武笛鉄人 ムテキ検事、マッスルを連呼し筋肉を強調
藤堂和花 ノドカ検事。藤堂姉妹の長女
藤堂音子 ネコ刑事。藤堂姉妹の次女
四ノ宮五郎 シノミヤ、ムテキ検事の連れてきた証人
遠崎雄太 主人公の父親
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編集掲載 緋鷹由理(ひたかゆり)
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