意外な容疑者 2

 

僕は弁護士の従姉に声をかけました。

これでいいんだよね? ナナさん

はいッ!

とても元気のある返事でした。

そういうわけですので、これで悠一さんの無実は立証されましたね。犯行は午前5時、何者かが車に乗って現場をたずね、羽織さんを絞殺して自殺に見せかけました。その現場を1人が目撃し、それを裏付ける根拠としてもう1人の人物が同じ悲鳴を聞いています。さぁ、裁判長。悠一さんに無罪判決をください!

これで決まったようです。経験豊富なノドカさんが敵に回ったときは敗戦濃厚だったというのに、初心者弁護士のナナさんが勝利をもぎ取りました。と、思ったのも束の間。

検事の従姉はうつむいて「ふ、ふふ、ふふふふふ」と不気味な笑みを漏らします。

そして頭を上げながら見せた表情は満面の笑み。

それなら弁護人、答えてちょうだい。いったい誰が遠崎羽織を殺したのかしら?

弁護側はそこまで答える義務を持ちません。調べるのは警察の仕事です

何か勘違いしてるみたいね。第三者の存在が明らかになったところで、それは被告の無実を完全に立証する物ではないわ。逆にいうと、真犯人が罪を認めて、初めて被告への容疑が晴れることになるの。つまり、弁護側が第三者を提示しない限り容疑は晴れないわ

そ、そんな

 

〔つづく〕

 

登場人物

遠崎悠一 主人公

藤堂奈々 ナナさん。弁護士藤堂姉妹の三女

裁判長   十代で裁判官になった天才少年

武笛鉄人 ムテキ検事、マッスルを連呼し筋肉を強調

藤堂和花 ノドカ検事。藤堂姉妹の長女

藤堂音子  ネコ刑事。藤堂姉妹の次女

四ノ宮五郎 シノミヤ、ムテキ検事の連れてきた証人

遠崎雄太 主人公の父親  


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作  者 草薙香(くさなぎかおり)


編集掲載 緋鷹由理(ひたかゆり)


文月鈴太郎(ふみづきりんたろう)の小説


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