再びシノミヤさんの証言 3

 

さっき言おうと思ったのは車のことさ。あの家の隣に空き地があって、そこに止まっとったんよ。この辺じゃ珍しいからよ~く覚えてる。ナンバーは9696で白い車なんよ

珍しい車ですか。それこそ僕の父を轢いた高級車と結びつきます。しかしナナさんは別の言葉に反応していました。

そ、そんな……白だったなんてッ!

眼鏡が割れそうなほどのショックを受けていましたが、今回は割れませんでした。例のリアクションにいたる条件がよく分かりません。

ノドカさんは彼女の反応を見て「ふん」と鼻で笑います。

残念ね。あなたの推理は大外れだったわ

異議を申し立てます! 白い車なのにクロクロナンバーはおかしい!

無駄よ

う……うぅ

クロクロの方には気付かなかったです。いわれてみれば、少し気になります。

僕は手を挙げ、裁判長に「どうぞ~」と質問の許可を得ました。

シノミヤさん。質問していいかな?

ひいぃ! あ、あっしは今度こそ真実だけを話したんよ!

本当にそれで全てなら怯えません。まだ何か隠しているようです。

車を見ただけかな? 中を覗いたり、車を触ったりしてない?

そんなことするわけなかろう!

発言と同時に腕の蛍光テープが、ピコンッ、と光りました。

 

〔つづく〕

 

登場人物

遠崎悠一 主人公

藤堂奈々 ナナさん。弁護士藤堂姉妹の三女

裁判長   十代で裁判官になった天才少年

武笛鉄人 ムテキ検事、マッスルを連呼し筋肉を強調

藤堂和花 ノドカ検事。藤堂姉妹の長女

藤堂音子  ネコ刑事。藤堂姉妹の次女

四ノ宮五郎 シノミヤ、ムテキ検事の連れてきた証人

遠崎雄太 主人公の父親  


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作  者 草薙香(くさなぎかおり)


編集掲載 緋鷹由理(ひたかゆり)


文月鈴太郎(ふみづきりんたろう)の小説


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