再びシノミヤさんの証言 2
すると彼を持ってきた筋肉検事が「否あああぁぁぁぁぁッ!」と大声を張り上げました。そしてシノミヤさんの後ろ襟首をつかんだまま歩きだします。
「証人とはぁ!」
「どうでもいいから連れてきなさい」
「イエッ! サーッ!」
何か良いことを言いそうな気もしましたが、ノドカさんの一言によってカットされました。
まぁ、どうせムテキ検事のことなので、筋肉かマッスルを強調するだけで終わっていたでしょう。
シノミヤさんは証人席に立たされ、待っていた裁判長が、カンッ、と木槌を打ちます。
「それじゃあ、事件前に何を見たのか教えてね~」
「し、仕方ない。言わせてもらうんさ」
さて、ここで車を見ていてもらえればこっちが有利に傾くはず。僕は彼の証言に息を飲み込みます。
〔つづく〕
登場人物
遠崎悠一 主人公
藤堂奈々 ナナさん。弁護士藤堂姉妹の三女
裁判長 十代で裁判官になった天才少年
武笛鉄人 ムテキ検事、マッスルを連呼し筋肉を強調
藤堂和花 ノドカ検事。藤堂姉妹の長女
藤堂音子 ネコ刑事。藤堂姉妹の次女
四ノ宮五郎 シノミヤ、ムテキ検事の連れてきた証人
遠崎雄太 主人公の父親
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編集掲載 緋鷹由理(ひたかゆり)
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