遠崎雄太の証言 22
今度は父がたずねます。
「でも、どうして俺たちの家が分かったんだ? 気になっちゃうだろ!」
「可能性があるとすれば……被害者の勤務先で聞いたとか」
ありうる話です。しかし、裏づけがなければ今までの話もただの憶測ということになります。
ノドカさんは突然、バァン、と机を叩きました。同時に中央の無駄に広いスペースにネコさんが現れたのです。
おそらく立体映像なのでしょう。
そこに映っている彼女は耳に手を当てて「あいよ」と返事しました。その声は法廷内にセットしてあるスピーカーから発せられます。
「和花検事殿かい? 本官にご用かな?」
「鎧を着なさい。あなたも戦場に来てるのよ」
「また本官を法廷に映してるのかい。サービスしとくべきか?」
そういいながら自分の胸元のボタンに指をかけました。なぜか傍聴席の方から「おぉ」と声が聞こえてきます。そのほとんどは男性だったでしょう。
検事の従姉は妹の挑発的な発言に気を止めず用件を言います。
「被害者の勤め先で聞き込みをしなさい。誰かが被害者の家を特定するような」
「もう聞いてる。どうやら常連客の1人が聞いてきたみたいだな。ハンカチを返したいと言っていたが、住所を聞いたところで店に預けたらしい」
「常連客の特徴は?」
「高齢者だな。なぜか翌日から姿を見せてないらしい」
「分かったわ。引き続き捜査をしなさい」
「へいへい」
〔つづく〕
登場人物
遠崎悠一 主人公
藤堂奈々 ナナさん。弁護士藤堂姉妹の三女
裁判長 十代で裁判官になった天才少年
武笛鉄人 ムテキ検事、マッスルを連呼し筋肉を強調
藤堂和花 ノドカ検事。藤堂姉妹の長女
藤堂音子 ネコ刑事。藤堂姉妹の次女
遠崎雄太 主人公の父親
*ご意見・ご感想、お聞かせ下さい。コメントお待ちしています。
↓少しでも面白かったら、ポチッとお願いします。
![人気ブログランキングへ](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fimage.with2.net%2Fimg%2Fbanner%2Fm06%2Fbr_banner_rainbow.gif)
人気ブログランキング 投票お願いします
*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:
編集掲載 緋鷹由理(ひたかゆり)
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚