「ゲームラボ」誌が、32年(前身含む)の歴史に終止符を打った。
ここ十数年は買っていなかったけれど、最後とその前は購入した。
恐らく、同じように考えた人がたくさんいたのだろう。最終刊はお仕事でバタバタして書店で探すのが少し遅れたらどこにも置いておらず、仕方なくネット通販で定価の2倍近い足元価格で買った。くそっ
この異端誌にはいろいろな記事が載っていた。
ゲーム関連で、他誌が扱わないようなマニアックな内容なら何でも扱ったといってもいいかも知れない。
自分は、インターネットを導入する前の時代を中心に、ゲームのハード改造やアーケード基板の記事等でお世話になった。
本当はもっともっとあるはずだが、今、パッと思い浮かぶ印象に残っている記事を、思い出と一緒に5点ほど挙げてみたい(印象強い順)。
その1)
グラディウスIIIの面飛ばし(95年4月ころ)
もう20年以上も前、今は無きハイテクセガ大船でG.Tさんに紹介していただいた。
この記事が、自分とゲームラボとの出会いだった(厳密には「バックアップ活用テクニック」なる変な名前の雑誌があることは知っていたが、それがゲームラボの前身と知るのはもう少し後になってから)。
この記事は本当に衝撃だった。
エミュレータなど無い時代、クソ高難易度のうえ時間がかかるうえコンティニューもできない極悪仕様のこのゲームに悪戦苦闘していた周りにとって、衝撃というよりどれほど福音だったことか!
その2)
初代プレイステーション等のデジタル音声出力改造(98年8月ころ)
ゲーム機はコストとの勝負なので、音声出力をデジタルからアナログに変換する内蔵D/Aコンバーターも、安物なことが多い。
それを、アナログに変換される前のデジタル信号(今でいうI2S)を枝分かれさせて、デジタル音声出力を設けようという改造。そうすれば、オーディオキ〇ガイが使うような貴族なD/Aコンバーターに接続して質の良いアナログ音声信号に変換できる。
当時、DATデッキ(パイオニア D-07A)をD/Aコンバーター代わりに使っていた自分もさっそくチャレンジ!
正直、当時の機材と糞耳では違いはさほどわからなかったが、無事にDATデッキ経由で音が出た時の感動ったらなかった。
ただ、今以上に雑な工作をしていた当時の自分。調子に乗って他のゲーム機でも試すが・・・
初代プレステ
→ 一応成功。
セガサターン
→ 一応成功。
スーパーファミコン
→ 面倒になって途中で放棄。
ドリームキャスト
→ 失敗、しかも新品で買った本体まで壊す(学生にこれはきつかった・・・)。
アーケード基板(タイトー FX-1基板(Gダライアス))
→失敗、基板を壊す。しかも、成功したとしても実用には堪えないことが分かりさらに凹む
(デジタル音声は、メインボードからはBGM、サブボードからはSEと分けて出ているため、それぞれで改造が必要。しかも、デジタル音声のままBGMとSEをミックスさせる機器なんか持っているはずがないので、プレイ中は恩恵を受けることができない。強いて言えばサウンドテスト時くらい?)。
プレステ2以降のゲーム機では、音声の5.1ch対応などのためにデジタル音声出力がほぼ標準で装備されているため、今となっては不要な技術だが、それだけに懐かしさもひとしおである。
その3)
かまいたちの夜の攻略(96年ころ)
スーパーファミコン版の初代かまいたちの夜にハマっていた95〜96年頃、「金のしおり」なるものが存在するらしいと耳にするも、その出し方がどうしてもわからなかった。というか、全種類のエンディングを見ることすらできなかった。
悶々としていたそんなとき、とある場所でリセットボタンを押せばいいという書き込みが!早速試し、おかげで不思議のダンジョン編を含む全エンディングを見ることができた。
ちなみに、金のしおりは結局出さずじまいだった(SFC版のは条件がめんどくさすぎる・・・)。
その4)
初代プレイステーションの品質の差(98年4月)
初代プレイステーションの本体は、見た目は殆ど変わらないが幾度となくモデルチェンジがされている。
「DUAL SHOCK対応」とかの、当時のちょっとゲームが好きなお友達なら分かるような表立った変更から、出力端子の変更(最初期型以外は汎用のSビデオケーブルが使用できないとか)などのちょっとマイナーな変更まで様々。
実は、性能面での変化もあるようで、モデルチェンジするたびにポリゴンの処理性能が上がっているらしい。同誌には比較写真も載っていたがこれは地味に衝撃だった。
そうした記事を読んだ後で、地元友人Sの家で「オメガブースト」を遊んだことがあったが、自宅では普通に動く場面が、Sの最初期型の本体だと処理落ちが発生しており、なるほど〜と内心感心したものだった。
ただ、これについては、自分は企業努力とか改良と好意的に受け止めていたのだが、誌面ではメーカーが表沙汰にしたがらない不具合の一種のような紹介になっており、ちょっとモヤモヤした。
その5)
コナミの一部のアーケード基板のサウンドプロテクト解除(95年10月)
サウンドテストで曲をかけると、プロテクトの一環として一定時間で次の曲に勝手に切り替わってしまうところを、ある処方をすることで同じ曲が延々と鳴り続ける。つまり録音し放題(汗)。
トライゴンをDATデッキに録音するときに重宝した。
この頃はアーケード基板の記事も豊富で(パソコンや家庭用ゲーム機のページ数に比べれば圧倒的に少なかったが・・・)、「袴田直樹の基板道場」とか「PCBのABC」なんかは一番のお楽しみ記事だった。
他にもいろいろある。上でも書いたとおり、ネットの無い時代は本当に貴重な情報源だった。
記事以外でも、
・うりゃさんがお引越しをする際に、保有していた「バックアップ活用テクニック」をたくさん譲ってくださって狂喜した(今も大事に保管しています)。
・何となく書いたクソ投稿が載ってびっくした(しかも本名で)。
・載っている記事は悉くマニアックだし美少女ゲームのエロ画像も容赦なく載りまくっているしで、こんなの親兄弟に見られたら堪ったものではないと危惧し、しばらく同誌をエロ本と同じ場所に隠していた。
などなど・・・、エピソードは枚挙にいとまがない。
ただ、ネットでいろいろ調べられるようになってしまい、かつ、ゲーム機が複雑・多機能化してハード的な改造が難しい(または不要)となっていき、同誌からは徐々に遠のいてしまった。
今までありがとう、本当にお世話になりました。
紙媒体では厳しいかもしれないけど、いつかネットでこのスタイルを受け継ぐサイトが出ることを祈りつ
つ。