くさまです。

 

昨日の市内コロナ陽性患者の報告は5名で、ちょっと安心したら今日は12名(合計68件・死亡者1名)の発表。横浜も東京同様、確実に第2ステージに突入しています。

 

今日の発表資料でもそうですし、ネット情報でも同じく、横浜市は陽性患者の居住区を公表していません。ちなみに同じ政令市でも隣の川崎市や相模原市では公表しています。

 

僕が選挙に当選したばかりの時に3.11があり、議員に就任してからいきなり放射線の担当常任委員会に配属され、放射線問題の時に学んだことは、この情報社会では、全ての情報を積極的に出すことがリスク回避と市民の安定につながるということでした。

 

ですので、今回のコロナでも、感染情報などは全て出した方が社会の安定につながると考えていて、なぜ横浜市は患者の行政区を出さないのか不思議に思い、現場を経験した方に聞いてみました。

 

そしたらこんな答えが返ってきました↓

 

『(公表は)感染症の抑え込みに支障があるからです。 

 

まだ少ない発生状況で、区名を公表すれば、1名発生の区は誰だか特定できてしまうでしょう。 行動履歴も家族構成も職業も出さないなら区名公表はアリです。 

 

発表しなくて良いのに会社名を公表した●●(会社名)では、おまえん家、コロナの●●なんだって?と虐めもどきにあったり、近所から距離を置かれたりするケースも出ています。

 

医療関係者の家族も酷い目にあっています

 

ハンセン病と同じで、治るから偏見持つ言われもないのに、差別、忌避、いじめにあいがちなのが、感染症です。

 

その恐怖があるので、実は陽性患者から濃厚接触者を聞き出すのは大変です。

 

迷惑をかけたくない、という心理が働くのです。

 

区名公表となったら全てを正直に話してくれない。つまり、濃厚接触者が野放しになって、感染がガンガン広がる可能性があります。 

 

区名を知っても、その区の病院に入る訳でもないし、その区から東京の会社に通って会社の同僚からコロナうつされたり、という事ですから、なんとなく不安で知りたい、との気持ちは理解出来ますが、公表のリスクの方が相当高い、ヤバいと思います。

 

東京の様に毎日100名を超えて発生する様になれば、魔女狩りに血道をあげるとんでもない輩が、個人を特定しにくくなるので、区名公表できるかもしれません。

 

でも、このコロナでは区名公表の意味がないのです。 

 

住んでいる場所が発生源、ネズミが多いとか、その場所を皆さん避けて下さい。という事になれば発表になります。 

 

例えば実は90%が都筑区だとします。都筑区だから発生したのではないんです。でも、何となく都筑区での買い物を避け、何となく都筑区民とは面と向かって話したくなくなる。

 

感染症って、そういう心理を、ムードを巻き起こす怖さがあるんです。だから、区名発表には相当慎重なはずです。』

 

この説明を聞いて、大変よくわかりました。

 

確かに例えば今日報告された58例目の20代女子学生の方は、3月26日に東京都内のクラブを利用されたことを正直に答えてくださいました。

 

しかし、都筑区でこの日に都内のクラブに行って、具合悪くて最近連絡が取れない女子大学生なんていう情報が回れば、恐らく分かる人なら分かって特定されてしまいます。

 

近所や仲間から「コロナ」と陰口叩かれるリスクはめちゃくちゃ高いです。

 

絶対にあってはいけないことです。

 

この女学生のことを思えば、僕が親なら絶対に公表するなと言うと思います。

 

374万人の中に入れば特定されるのは難しいですが、都筑区20万人、西区9万人の中なら、探せてしまうかもしれません。

 

逆に、行政区がわかり、例えば都筑区で感染があったとしても、全市で外出自粛などのコロナの対応している以上、できることは限られています。

 

区を公表することと、しないことのデメリットを比較衡量した時に、やはりいまの数字(市全体で陽性64件)では、区を公表しないほうが人権の観点からも公共の利益につながると考えます。

 

あってほしくないことですが、陽性者数が増えていき、個人を特定することが難しくなれば、公表していくべきだとも思います。

 

どうぞご理解いただきますよう、よろしくお願いします。