くさまです。

 

ゴールデンウィークにみなとみらいで開催された第50回アジア開発銀行年次総会が無事終了しました。

 

かなり玄人チックな内容だったので、市民の皆さんには、GW中やけにみなとみらいパトカーとか警備きつかったなという印象しかなかったかもしれません。

 

それでも、その警備がきついみなとみらいでは、今後の世界のパワーバランスがかかった議論が展開されていて、その歴史的な狭間の一部で、市内大学生たちも参加した横浜主催の次世代育成セミナー「貧困削減とインクルーシブな経済成長に向けて~横浜の若者による分析と実践的ビジネス教育プログラムの試み」も開催されました。

 

 

 

内容以上に、大学生が国際会議に参加して議論できる機会というのはそうありませんので、開催地として横浜の大学生がこれを経験できたのは大きいです。アフリカ議連事務局長としては、是非この続きをTICADⅦ横浜開催が決まったらまたやりたいです。大学生と高校生も入れて。

 

さて、今回のADBではサラッとかなりインパクトある内容が発表されていました。とうとう、横浜のY-PORT事業にADBのお金が入ります

 

『ADBが横浜市の協力によりフィリピン・セブ市で官民連携を支援』

https://www.adb.org/ja/news/adb-provides-ppp-support-cebu-city-philippines

 

横浜市がフィリピンのセブ市で市内企業と取り組んでいる廃棄物処理、リサイクルの改善をADBが支援するもので、横浜市のY-PORTセンターが間に入り、市内企業とフィリピン政府の間の契約をADBをかませることによって円滑に流していくスキームは、まさに機動的な動きを求められるために強化したY-PORTセンターの目的そのものです。

 

この現場、僕らも行ってきましたが、市内企業が海外進出するというのは、そんな簡単な話ではありません。

 

 

現地には現地の文化があり、横浜のようにセブにはセブの市内企業もあれば、中国・韓国も進出しているし、横浜の進出を大きなお世話、ないし迷惑と考える人たちもいれば、どうせすぐに出て行ってしまうと疑心暗鬼な人たちも多いです。

 

そんな環境の中、フロンティアとして海外市場を開拓していく市内企業の努力と精神は、海外事業は勿論、国内事業にも大きなインパクトをもたらします。

 

その海外進出のバックになるのが、今まで培ってきて、そしてこれからもっと発展させなければならない、日本・横浜の良質な海外支援の取り組みと、それを支えるファイナンスの強化です。

 

アフリカでもアジアでも、支援先は賢いし、したたかです。この分野は中国から、ここはヨーロッパから、この部分のここだけは日本からと、自らの国益を考えればそれこそかなり考え抜いて各国から支援を引き出すための努力を続けています。だからこそ、現地とwin-winになれるようなスキームや土俵をつくっていくためには、柔軟に、そしてあらゆるステークホルダーと関係をもち、良質な支援や良質なビジネスを長い視点でやっていかなかればなりません。

 

今までの横浜は、水道局を筆頭にこの支援は最高レベルでした。築いてきた各自治体との信頼を崩さずに、これをいかに市内企業のビジネスにつなげていけるのか。ADBとの関係強化は、まさにその可能性を見極めるチャンスです。

 

Y-PORTセンターが法人化して動いていく今、上下水道、廃棄物、IDECなどを含めた横浜市の国際政策の真価が問われる時代に入りました。