くさまです。

 

ビッグサイトで年に1回世界最大級のFCEXPOが開催されていますが、EXPOに参加するために世界各国から水素関係者が日本に集結しています。

 

昨夜は昨年横浜にも視察に来た、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州の水素の夕べが東京アメリカンクラブで開催され、特にFCバスのEU動向について、日本の水素関連企業などと共に、参加してきました。水素専門英語が飛び交い、大変勉強になりました。

 

 

 

ドイツの水素連接バス(実証)

 

また、今日は、台湾の台湾燃料電池パートナーシップ連盟の皆さんが横浜の水素関連施設を視察され、アテンドしてきました。

 

オープンしたての綱島ステーション(横浜市6か所目)

 

 

大黒ふ頭の自立型燃料電池システム

 

千代田化工の実証プラント

 

昨年も、エストニア首相、ドイツ国会議員、官僚など外国から多くの水素視察が横浜に来ましたが、2016年の世界の水素政策をリードしたのは日本でしたし、その中で横浜の果たした役割は大きかったと思います。市内1万件を超える家庭用エネファームや全国最多クラスの水素ステーションの普及、港湾の水素活用などの総合的な水素政策として、世界トップクラスの自治体です。

 

その横浜で、唯一遅れそうなのが、燃料電池バス(FCバス)の導入です。

 

水素は日本進んでるのだから、まだまだ別に遅れてないじゃんというご意見もありますし、ラグビーワールドカップ2019、東京オリンピック・パラリンピック2020に間に合うように整備することがすべてじゃないというご意見もあります。既に東京都にトヨタから2台のFCバスが導入されましたが、政府の目標は2020年に100台。あとの98台はどうするのかと言えば未だ答えが見えていません。

 

昨日の横浜市会予算委員会では、この例年あったFCバス調査費が来年度は全く計上されていないことを指摘しましたが、様々な議論をさせていただきました。特に僕からは、横浜のラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックに向けた「横浜ビジョン」の中で、環境ショーケースとしての横浜を魅せる中で、FCバスの導入を市長も本会議で答弁していましたが、実は市当局や交通局が考える以上に、FCバスは各国で広まっていることを指摘しました。

 

 

ラグビーワールドカップで強豪のスコットランドでは、人口20万人のアバディーン市に燃料電池バスが既に10台導入され、街を走っています。ちなみに、このアバディーン市はこのことで一躍世界的に有名になり、同じく、ラグビーと水素で盛り上がっている神戸市とも連携を始めるそうです。

 

 

ロンドンでは全てのバスをゼロミッションにするという市長のリーダーシップの下、有名な二階建て観光バスもFCバスになります。世界で初めてのFCダブルデッカーバスです。これが2018年にイギリスで走ります。

 

アジアでは、お隣韓国が2018年のピョンチャンオリンピックに向け、ヒュンダイのFCバスを導入し、なんと2030年までには全国2万6000台あるCNG(天然ガス)バスを全てFCバスに変えるという野心的な目標を持って進めています。

 

中国も、深刻な大気汚染対策で、FCバスを大量導入し、上海で来年度には18台のFCバスが走り出します。

 

横浜どころか、日本のFCバス戦略は世界で既に遅れています。2020年までにギリギリ1台導入して「世界に魅せる」とか言っちゃったら、それこそまさになめられてしまいます。逆効果です。

 

今日視察した綱島ステーションはFCバスでも水素を充填できますし、東京都もリース契約で安く借りていますので、インフラや予算のせいにはできません。「できない」理由を並べればきりがありませんが、本当にやらなくていいのですか?そもそも市の幹部職員に上げる際に、ちゃんと調べてあげてるのでしょうか??

 

現場のやる気次第で世界一の評価を貶めるのか箔をつけるのか、こういう流れは非常に残念ですので、昨日の予算委員会で丁寧に説明させていただきました。温暖化対策に本気なところを、この分野でも見せてほしいです。