くさまです。
 
予算議会真っ只中ですが、国際局予算案ではY-PORTセンターの強化が盛り込まれています。
 
 
2015年11月に訪問したY-PORT事業でセブに展開している市内企業の現場。
 
上下水道をはじめとする自治体の海外交流から海外ビジネスへの動きは2000年代になってからのこの10年くらいでしょうか、横浜市でも横浜市水道局100%出資の横浜ウォーター株式会社が海外水ビジネスを、旧横浜市中小企業支援センター、現IDECが中小企業の海外進出支援を行っていて、今まで横浜市が積み上げてきた海外支援をビジネスにつなげられるかどうかという試みが様々な機関でされていて、これは国ではJICAやJETRO、そして神奈川県ともバッティングしている分野の1つです。
 
国、県、市、様々な機関が海外ビジネスを支援していますが、実は成功している企業というのはそもそもこういった支援制度や国や自治体の補助に頼らず、市場原理にのっとり、必要とされているところで粛々とやっている企業が多いようです。
 
海外の、特に発展途上国の皆さんも、それは自国の利益や経済発展がかかわってきますので、日本からの支援は欲しいけど、ビジネスだったら自国で賄うといった国や自治体が殆どで、そりゃそうなんです。横浜市が中小企業振興基本条例で入札などに市内企業の保護政策を適用するように、海外の自治体だって、そりゃそうします。
 
ですので、議員になって自治体外交の現場を今まで見てきた中では、海外交流支援は有効だけれども、海外ビジネス支援を横浜が市としてやるのは非常に難しいということです。
 
 
その中で、市内中小企業が海外に進出してビジネスになりそうな事例が数少ない中存在します。その1つがY-PORT事業の廃棄物処理の分野です。今のセブのプロジェクトは、何が何でも成功させなければなりません。
 
ここではもともと横浜市がセブ市と包括的な事業を行っていたはずなのに、なぜか北九州市が入ってくるなど、そのあたりの整理がJICAもよくわかりません。政令市で考えれば、ここの自治体はここみたいな整理をしないと、中途半端になり、結局は国益にならないのではないでしょうか。
 
今後、インフラを主とするY-PORTセンターの外部社団化が進む予定ですが、やはりもうそろそろ、今まで横浜市が多くの局で行ってきた海外ビジネス支援政策の政策評価を行うべきだと思います。そしてこの分野の国際政策の選択と集中を行っていかなければなりません。どちらかというと、海外ビジネス支援は耳障りも良く、やりたい人も多いので、いけいけドンドン的に進んでいく分野ですが、国、県、市の中で、多くの組織が二重にも三重にもなって展開されている現在の国際政策を取りまとめていくのが、横浜市で発足した国際局の1つの役割だと思います。
 
◆(草間委員) 
Y-PORTセンターの機能強化について伺います。
最初に確認をしたいのですけれども、わざわざ税金を使って市内企業の海外流出を促進するなという意見もあるのですけれども、まず改めて、市内中小企業の国際展開の意義について伺います。
 
◎(関山国際局長) 
経済活動から国境は消えたと言われている現在、世界市場での競争に挑む企業の意欲的な活動と、それによる市内経済活性化への期待は高まっていると考えます。そのため国際局としては、海外展開に臨む市内企業の皆様の競争力を高められるようなサポートに努めまして、それによって引き続き横浜をベースに活動していただくことを目指していくべきだと考えております。
 
◆(草間委員) 
先日の松本団長の代表質問でもありましたが、私も藤代議員、遊佐議員と自由民主党の三羽がらすと言われているのですけれども、その三羽がらすで、Y-PORT事業で市内企業が進出しているセブ市を昨年訪問しました。一昨年訪問したタイの地方水道公社に対する横浜ウォーター株式会社の進出事案よりも、ごみ処理という分野的には上下水道に比べてかなりブルーオーシャンだと思っていた事案だったのですけれども、現地に行ってみると、今は市長が事件に巻き込まれてしまったようで職務停止になってしまうとか、いろいろな危なっかしい事案もある。すばらしい国ですけれども、そういうリスクもあるということだと思うのですが、ああいう地域でビジネスをやっていく、しかも市内の中小企業がというと、並大抵のことでは成り立たないと思います。
本会議でも答弁があったように、参加中小企業から横浜市の音頭取りで海外進出したからにははしごを外さないでくれという声が強いと思うのですけれども、そこでまず、Y-PORTセンターの現在の課題について局長に伺います。
 
◎(関山国際局長) 
現在の課題といたしましては、国際協力の枠内での調査事業、実証事業からビジネスに発展する際、またその後の軌道に乗っていく過程でいかに私たちがサポートできるかというところにあると考えております。そのために、プロジェクト形成に関する専門性や企業のニーズにタイムリーに対応できる機動性を高めていくことも求められております。
 
◆(草間委員) 
私はこれらの課題を解決していくためにY-PORTセンターを強化していくべきだと考えておりますけれども、経済局の外郭の公益財団法人横浜企業経営支援財団、IDECの中に国際ビジネス支援課という一見同じように見える部署があります。そこで、IDECが進める中小企業振興策とY-PORTセンターの目指すものの違いについて局長に伺いたいと思います。
 
◎(関山国際局長) 
市内中小企業の海外展開支援という点で目指すところは共通だと考えております。ただ、手法に違いがあると認識をしております。Y-PORTセンターは、海外インフラビジネスに特化いたしまして、新興国都市のマスタープランの策定支援とあわせて市内中小企業を紹介する支援の方法であります。また、外務省、JICAなどの支援メニュー、資金を活用いたしまして、海外展開の参入初期段階の負担の軽減を図るところに顕著な違いがあると考えております。
 
◆(草間委員) 
わかりました。だからこそ、今の段階で私はY-PORTセンターを強化していく必要があると思っていまして、横浜ウォーター株式会社を見ていても、役所でやると機動的に海外出張に行こうと思っても行けないし、予算の決裁が皆さんありますし、コンプライアンスもそもそもあります。グローバル化の波に役所として立ち向かうというのはなかなか難しいと思っておりまして、かなり中途半端な今の状態は、何より参加企業に大きな迷惑と、場合によっては損失を与えてしまう可能性もあると思います。ここは早急に改善が必要だと思っているのですけれども、人、金を機動的に使ってオール横浜として国際貢献と市内企業の進出支援ができる仕組みをつくるべきと考えますけれども、これは副市長の考えを伺います。
 
◎(渡辺副市長) 
本定例会で御議決いただきました横浜市国際戦略におきましては、重点的な取り組みという中で、Y-PORT事業については国際協力を通じたビジネスチャンスを創出する事業と位置づけておりまして、先ほど来御議論がございましたが、これは国際協力の段階の先にあるビジネスの段階を見据えた取り組みとなっております。Y-PORTセンターもこの5月で発足後1年が経過するわけですが、こうした中でY-PORTセンターの参加企業の皆様からも、そのビジネス段階に焦点を当てて、支援の継続性や専門性、機動性の一層の強化に向け、Y-PORTセンターの外部化や法人化などを提案する御意見をいただいております。これは今の草間委員も同様のお立場ではないかとお聞きして思いました。こうした御意見も踏まえまして、市内企業の皆様と横浜市が一体になって海外インフラビジネスを力強く展開していくためには、より効果的なY-PORTセンターの仕組みを早急に検討し、充実強化を図っていく必要があると感じているところでございます。
 
◆(草間委員) 
今まさにもう入っていっている段階なので、ぜひとも早急にお願いしたいと思っております。なぜ横浜には国際局があるのか。日本の自治体でまだどこもやっていない自治体外交を今の横浜市は進めていると思っております。今、産みの苦しみが本当にいっぱいあると思います。人の問題であったり、予算の考え、体制であったり。でもこの産みの苦しみは、恐らく次の世代、次の次の世代の国際局が、オリンピックのときにまさに成果が結実するように今思い切り苦しんでいただいて、後をよろしくお願いしたいと思いますので、これからもトップガンでいてください。ともに頑張りましょう。