くさまです。

今回でブログでの派遣報告を最後としますが、横浜花博誘致のためのトルコ・オランダ公費派遣で公のミッション以外に僕が個人的に感動したのは、地元都筑区のサカタのタネさんの「種」が、地球の反対側で、しかも園芸大国のオランダで、世界の人々を豊かにし、園芸業界を支えている現場をこの目で見れたことでした。

今回は特に坂田社長にもお願いをして、日本でも人気があるトルコキキョウのオランダの生産現場、日本で産まれたサカタの「種」が、どのようにオランダから世界の消費者に届くのか、その現場を拝見しました。

オランダでは日本と同じ規模、年間約1億8000万本のトルコキキョウが生産されています。視察の順番は前後ありますが、種から発芽をさせる「育苗業者」、そして苗から花を咲かし、市場に届ける「切り花業者」、そして競りが行われる「市場」と、販売現場を見させていただきました。


サカタのトルコキキョウの種が育苗業者さんの手で機械的に捲かれていきます。




2週間程度で発芽していきますが、均一に発芽させ、育てていくのには温度管理などの高い技術が必要です。育った苗は、切り花業者に届けられます。


バーグ社という、ここの切り花業者さんは、世界に3台しかない機械を使って植え付けを行いますが、5ヘクタールの畑で、年間なんと6毛作行っています。(日本はほとんど2毛作)。機械化と徹底した合理化で年間20名しか使わないというのもすごいです。


これだけのトルコキキョウで生産ロスが3%というのは、生産者の技術とサカタの種そのものの品質ということで、サカタのタネが高い評価を得ています。


サカタのタネ・ホランドのジョージ。現地雇用で営業担当です。というか、サカタホランドさん、ほとんどオランダ人です。


機械でまとめられ、出荷されます。


市場は徹底した温度管理がされています。オランダ国内に王立の花市場が3か所あります。園芸大国です。


朝の6時に市場に着いたら、すでに競りが中盤でした。母の日前ということで、値段が上がっています。


競りで落札された花がバイヤーに運ばれていきます。1日平均1万本超がこの市場に集まります。


遠くはロシアまでトラック輸送されますが、最近はタイ・ベトナムでもオランダからのトルコギキョウは人気があるそうです。


この日、バーグ社のトルコギキョウは1本1,19ユーロ、約145円で取引されました。普段は約80セントということですので、母の日効果ということでいい値段がつきました。


これが仲卸さんなどにわたり、僕ら世界の消費者に渡ります。サカタのタネは世界のトルコキキョウのシェア約8割を占めています

九州ほどの面積しかないオランダの生産力に圧倒されましたし、日本の現場ももっとイノベーションが必要ということは間違いがないことですが、それよりなにより皆さん、都筑のサカタのタネが世界でこんな活躍してるって知ってましたか??

園芸大国オランダの市場にがっつり入って、もはや世界になくてはならない存在です。世界のお花屋さんでトルコキキョウを見たときに、これって日本だよって言えるこの感動。トルコキキョウを見て幸せを感じる世界中の場面を、日本の技術が支えています。僕らが進めている都市緑化フェアや花博が、都筑・横浜だけでなく国益にとってどれだけ大事か、この分野の産業・技術面でも分かっていただけると思います。