くさまです。

日本にとって40年ぶり2回目、横浜では初めての国際園芸博覧会(EXPO花博)の誘致に向けて、梶村議長、佐藤前議長ら8人の自民党議員で公費を使う議会派遣によってトルコ・オランダ5泊7日から昨夜戻りました。

紙ベースでの報告書も提出になりますが、それはほとんどの皆さんが見ないので、何回かに分けてブログ上でも報告をさせていただきたいと思います。まずは現在開催中のトルコ・アンタルヤ花博の報告からです。











トルコ南部のリゾート地、人口220万人で年間2000万人の観光客が訪れ、5つ星ホテルが60万室分もあるアンタルヤ市内の国有地を使って4月23日から10月30日まで行われるのが、アンタルヤ国際園芸博覧会(アンタルヤ花博、EXPO2016)です。

日本、中国、韓国を含む100か国、30団体が参加し、800万人の入場者数を見込んでいますが、それには毎日4万人の入場者が必要なわけです。上の写真は現地で僕がとったものですが、訪問したのは5月1日の日曜日で会場内は閑散としています。というか、会場そのものがまだ完成していません





今回の訪問に際しては、坂井財務副大臣も副大臣公務で同日日程となったため、岡駐トルコ大使はじめ多くの関係者にご尽力いただき、キョク花博大使やアフメットアンタルヤ市議会臨時議長などとの意見交換もすることができました。

◆トルコの新聞に掲載されました。
http://www.hurriyet.com.tr/yerel-haberler/antalya-haberleri/japonya-expo-2016-nin-tecrubelerinden-yararlan_275390/

トルコそのものは大変な親日で、環境、人柄、文化から僕も大好きになってしまったのですが、今回のアンタルヤ花博そのものについては、意見交換や現地視察を経ても、疑問ばかりでした。

まずはこれはオリンピックでもなんでも問題になるのですが、開幕してから1週間が経ちますが、会場も未完成で、また、最重要なインフラ整備であるはずのトラム(鉄道)が完成していません。





アンタルヤ花博の予算はほぼすべてトルコ政府が拠出しています。総額は1000億円程度と説明を受けましたが、その中の大きなウェイトを占めるのがトラムといわれる花博会場への鉄道です。

キョク大使もいつできるか分からないと説明してしまうくらい、工事がいたるところで行われています。10月までの開催ですから余裕はあるかもしれませんが、全体的にゆっくりです。

また、僕らの一番の関心であった跡地利用については、唖然としてしまいましたが、政府の代表であるキョク大使は112ヘクタールの敷地内をすべて公園で残すと言っていますし、地元のアンタルヤ市としても、特に跡地活用の考えはないと言っていました。ここの考え方は僕としては全く考えられません。

なぜ、僕らが瀬谷の米軍跡地で花博をやりたいのか。それはもちろん花と緑の政策の重要性、日本の造園文化を広く世界に示すというのも重要ですし、何千万人もの人が横浜を訪れることも大変重要ですが、議員としての立場としては、花博を機会に花と緑などの緑のインフラを整えるとともに、鉄道や道路などのインフラを整え、港北ニュータウンのようなそのあとのまちづくりに期待をしていくものです。ただ単にイベント1発やって終わりでは多額な公費を投入する意味は殆どありません

意見交換で僕も議論させていただきましたが、アンタルヤ市からはトラムを整備するのと同時にそれぞれの駅周辺の再開発などをしていく計画はないそうですし、花博を契機としたまちづくりの意欲も全く聞かれませんでした。

また、驚いたのは、花博でトラム以外で一番お金がかかったといわれた、花博内のコンベンションセンターです。



なんと5000人が収容できる大ホールが花博内に建設をされました。開催中は世界から歌手を呼んでコンサートをすると言っていましたが、ここももちろん花博終了後も残すということでした。

この投資も疑問です。今回、僕らがアンタルヤで跡地利用などのほかに現地にいかなきゃわからないと想定していたテーマの1つはアンタルヤ市のコンベンション、MICE機能です。アンタルヤには先ほどいましたように5つ星ホテルの客室が60万室あるということですが、5つ星ホテルそのものは400軒あります。横浜とはけた違いで、ここがまさに横浜の課題となるわけですが、アンタルヤでは昨年G20も開催され、安倍総理もアンタルヤに来ています。そして今回、一番公費を使わせていただいたのが、G20の会場になったレグナム・カーヤホテルに泊まることです。




朝食会場(の一部)


4つの屋外プールと屋内プール、プライベートビーチがあるリゾートホテルです。(今回は議会派遣での参加のためエンターテイメント系は自粛しました)

このレグナムホテルはG20を開催するくらいですので、アンタルヤを代表するホテルです。プールやプライベートビーチ、ゴルフ場、テニスコート、コンサートなどのエンターテイメントはもちろん、9つの会議場を持ち、面積で言えば横浜アリーナのアリーナ面積と同じくらいの規模を1つのホテルで賄えます。警備も厳重で、宿泊者以外は中に入れないので、別のホテルにいる坂井副大臣に入ってもらう事前調整も難儀というレベルです。横浜では、このホテルよりグレイドが低いリゾートホテル誘致に賛否両論ありますが、MICE都市を目指すには、シンガポールや香港とかそういうレベルじゃなくて、ISと戦争状況にあるトルコでこうですので、横浜のレベルは話にならないということです。

正直、花博よりもこちらのホテルに驚きましたし、エンターテイメント性だけ考えれば、花博会場よりずっと面白そうです。聞いたところ、このようにコンベンション施設を持つホテルがアンタルヤには多数あるので、わざわざ宿泊先から1時間弱くらいかかる場所に5000人規模のコンベンションセンター・MICE機能があっても行かないと思います。まちづくりの視点がなさすぎるというのが今回の感想です。

ただ、このまま花博開催がアンタルヤ→中国→オランダという流れになれば、横浜・東京圏のホテル不足は大きな課題です。また、瀬谷の開催となると交通網も早急に考えなければまりません。アンタルヤの二の舞になると、僕らが失笑したように海外から笑われます。ホテルのランクも、僕らの視点ではなく、海外の視点で考えなければ、国際都市とは言えません。横浜には横浜のよさがありますが、僕らは正直、観光都市という面で言うとガラパゴスになってる感があります。

アンタルヤでは課題を多く学びました。