つくる時代からマネジメントの時代へ。「横浜市下水道のアセットマネジメントに対する提言」 | 都筑のくまのルーキー日記

つくる時代からマネジメントの時代へ。「横浜市下水道のアセットマネジメントに対する提言」

くさまです。

昨日、市内選出若手国会・県会・市会議員からなる「公共インフラ・アセットマネジメント研究会」として、林市長に、横浜市下水道事業アセットマネジメントについて提言を行いました。





ここで、提言の要旨をお伝えしたいと思います↓

笹子トンネルの天井落下事故以来、国ではインフラの老朽化問題を「重要課題」と捉え、マネジメントを推進してきました。下水道については、普段市民の目に触れず、管理が難しいことから、5月には下水道法を改正して、実際の事業を行っている自治体のマネジメントの強化に取り組んでいます。

特に横浜市には下水管だけでも約11000キロという、横浜からニューヨークまでの距離の膨大な下水道資産を抱え、それが今後、老朽化していく場面を迎えます。しかも、この資産は人口急増時代につくったものですので、これから人口減少時代を迎えるにあたって、この資産の老朽化問題から避けて通れない現実があります。

私たちも7月に、横浜市の古い下水管に入り、視察させていただき、あらためてこの問題の深刻さを痛感いたしました。

そこで、今後、横浜市でも大幅に増加するインフラの維持管理・改築更新の問題を議論するため、市内選出の自民党 国会議員、県会議員、市会議員で「公共インフラアセットマネジメント研究会」を設立しました。

横浜市はもとより、我が国の発展を考えたとき、この問題は避けては通れない「重要な問題」であり、すぐに取り組まなければならないことを林 市長にも共感いただきたく、本日は、公共インフラアセットマネジメント研究会を代表し、「横浜市下水道のアセットマネジメントに対する提言」をさせていただきます。

【1】現状に対する評価

そもそも、インフラは、市民生活、経済活動、環境問題など、都市に必要不可欠であり、今回議論してきた下水道についても、確実に老朽化が進行するため、今から盤石の管理基盤を構築していく必要があります。高度成長に合わせてモノの整備を中心に進めてきましたが、今後は、人・カネなど、経営を一体的に捉えたアセットマネジメントに取り組んでいかなければなりません。

もちろん、これまでの横浜市下水道を否定しているわけではなく、浸水対策、下水道資源の有効利用、水ビジネス展開のほか、経営資源の確保を目指しているところは、一定の評価ができると考えています。

しかし、政令市で最大規模の下水道施設を有する横浜市が、現状の組織・執行体制でアセットマネジメントを実践できるかというと、疑問が残ります。

横浜市下水道の経営計画を着実に実行し、アセットマネジメントを実践するためには、職員の大量退職によるナレッジの流出を迎える前に、盤石の組織・執行体制を確立しなければなりません

【2】組織・執行体制の確立に向けて

横浜市下水道は、全国の下水道事業を引っ張る「リーダー的な存在」だったと先輩議員から聞いております。しかし、アセットマネジメントについては、仙台市が専属部署を設置して取組みを進め、国際規格(ISO 55001)の認証取得に成功するなど、リードしているように見受けます。本格的なアセットマネジメントを進められるよう、仙台市のように、権限のあるアセットマネジメント専属部署を設置することを御検討ください。

また、東京都のほか、全国の約半数の政令市では、地方公営企業法が全部適用され、局長などが下水道事業管理者を務めています。これにより、現場に近いスピーディーな判断が進み、効率的・機動的な事業運営が行われています。

林 市長も、現場の第一線で活躍してこられたので、この感覚は理解いただけると思います。地方公営企業法の全部適用、下水道事業管理者を誰が務めるべきかといった問題は、個々の自治体の組織・風土によって一長一短がありますから、例えば、既存する下水道に関する内部の研究会など有識者を交えた議論を踏まえ、市として最適な体制を構築することを御検討ください。

【3】予算の確保(支出の削減)に向けて

下水道事業の一部は、市民からの使用料で賄われていますが、将来の過度な負担を招かないよう、下水道資源の更なる有効利用などにより、徹底した管理費の削減を図る必要があります。

また、これまで培ってきた技術・ノウハウを活かし、海外展開・国内支援を行い、積極的な収入拡大を図ることが、公営企業として期待されます。先ほど、横浜ウォーターの五十川 社長と話をしましたが、水道局が設置した横浜ウォーターでは、国内外の下水道事業案件も増えてきました。下水道事業から横浜ウォーターに出資し、事業を推進することで、新たな財源確保の可能性が期待できます。

市会においても、下水道事業からの横浜ウォーターへの出資について、若手議員が環境創造局に質問し、局長から検討する旨の回答がなされました。水道局を交え、出資の検討を始めていただきたいと思います。

【おわりに】

下水道は、市民の生命・財産、都市の水環境を守るだけでなく、循環型社会、温暖化対策、エネルギー対策など、幅広く社会に貢献できる重要なインフラです。

また、下水道は、自治体の長の権限で進める事業です。横浜市が、全国政令市のリーダーとして、本格的な「下水道のアセットマネジメント」を推進し、それが全国の自治体に波及していくことを期待します。

もちろん、私たちも横浜市選出の政治家として、引き続き、国・県・市、それぞれの立場で、財政支援、制度設計はもとより、横浜市下水道の健全経営を支援していきたいと思います。

林 市長、アセットマネジメントのトップリーダーを目指しましょう。よろしくお願いいたします。