くさまです。

今年度は、自民党で政調副会長、議会では港湾局所管の常任委員会副委員長を仰せつかっており、横浜の1丁目1番地である横浜港の諸団体の皆様や港湾政策に絡む機会が多くなりました。

僕は戸塚生まれ・都筑在住の丘のハマッコですので、実は、港と言われても、議員になるまで横浜港=山下公園みたいな感覚でおりまして、議員になってから観光・物流両面における横浜港の意義についてなんとなく理解していたつもりでしたが、山下埠頭、本牧埠頭、南本牧ふ頭、大黒ふ頭など横浜港のコンテナ物流・ロジスティック機能については、正直よくわかっていませんでした。

そこで、物流の要、血液ともいえるコンテナトラックに実際乗ってみれば、横浜港をよく理解できると思い、勝手にお願いして、民間のコンテナトラックに2日間乗らせていただくことになりました。

 
 

今回は上のようなコンテナトラックの助手席に座らせていただき、本牧ふ頭(手前)、大黒ふ頭(ベイブリッジ渡った島)、南本牧ふ頭(写真外)、そして東京港と言われる晴海・大井ふ頭を視察させていただきました。

 
本牧埠頭に着いたコンテナ船から、ガントリークレーンによってコンテナが1つ1つトレーラーに載せられ、コンテナヤードに運ばれます。
 
船によっては大きなキャリアでコンテナがコンテナヤードに積まれます。
 
トラックは指定されたコンテナ番号の位置につき、コンテナが積まれるのを待ちます。この段階で、後ろはシャーシだけです。

 
 
フォークリフト・もしくはクレーンによってコンテナがトラックに積まれます
 
積んでからが実は政策課題で、ヤードを出るためのチェックを受けるために横浜港でも30分~1時間程度待たなくてはなりません


ヤードを出るためのチェックを受けます。この列の待ち時間、そして、ヤードに入るための待ち時間がトラックにとっては大きな負担で、物流の阻害要件になっています。
 
ヤードで積んだコンテナを、ふ頭内の指定された倉庫に運び、荷がおろされます。荷がおろされて空になったコンテナは、再度コンテナヤードに運び、積まれます。

横浜港のそれぞれの埠頭に着岸したコンテナ船から中身が入ったコンテナを倉庫に運び、空のコンテナを再度戻す、荷卸しが終わっていなければ、空のシャーシで再度コンテナを取りに行く、僕が乗らせていただいたいわゆる「ふ頭内」のトラックは、市内3か所の埠頭を1日中行ったり来たりしています。

本牧ふ頭、大黒ふ頭、南本牧ふ頭、皆さんそれぞれガントリークレーンはよく見えると思いますが、それぞれのバースで船会社が決まっています。たとえば南本牧のMC-2はマースク、大黒ふ頭のC-4は日本郵船、本牧ふ頭のA-5バースは川崎汽船など、今まで全く分かりませんでしたが、今回の視察のおかげで、コンテナを見ればだいたいどこの埠頭から来ているのか分かるようになりました。

また、2日目は、現在コンテナ取扱量国内第1位の東京の晴海ふ頭、大井ふ頭にも行きました。

 

東京港はコンテナ取扱量国内1位ですが、何しろトラックによる渋滞がひどい。ヤードに入るために3時間程度待たされます。入るのに3時間、コンテナ積んで出るのに1時間かかれば、ふ頭内での時間だけで4時間以上かかります。それから東京外に出ようとすれば、往復1つのコンテナしか運べません。横浜はヤード出入りの待ち時間が東京より全くかかりませんので、ここに横浜の競争力があると確信しています。

全国で最大の深さを誇る南本牧MC3バース、そして隣ではMC4バースも準備が進んでいます。コンテナの巨大化が進んでいますが、外洋から来れば東京湾の入口であり、圏央道や北線・北西線という高速道路の開通でロジスティック機能も高まりコンテナ出入りの待ち時間も少なく熟練された港湾マネジメントを誇る横浜港は、もっと潜在力を発揮できると思います。

横浜港内には信号がありません。血のように流れるコンテナトレーラーや港湾車は、地の業者ならばほとんど事故を起こしません。港湾業者の皆さんは、率直な人が多く、せっかちですが、横浜港で働き、横浜や日本を支えているんだという本当に誇り高き皆さんでした。早く帰って1杯飲みたいパワーと、雨が降る前に片づけてしまえパワーが港中に溢れ、それがスピーディーな港湾業務につながってもいましたし、確かに横浜港は隅から隅まで血が通っている港でした。

今回の視察では、法的な問題点もよく理解できましたので、持ち帰って議会で検討したいと思います。2日間、大変貴重な視察をありがとうございました。