くさまです。

今日から12日までの6日間、洪水被害が頻発するフィリピン・イロイロ市の皆さんが横浜を訪れ、横浜市の河川防災対策や大学との連携など、災害時における自助・共助の取り組みを研修します。

 

 
イロイロ市は、フィリピン共和国・パナイ島に位置する人 口約40万人の都市です。

イロイロ市の中央部にはイロイロ川(流域面積約400平方キロメートル)が流れており、台風や集中豪雨の常襲による洪水被害、生活排水や廃棄物投棄による汚染が深刻であり、防災に重点においた被害軽減と河川環境の改善が課題で、川沿いの 住民の避難など、自主防災体制の確立が不十分な状況でした。

イロイロ市から、同じシティネットの会員都市である横浜市に対してこの分野での支援要請があり、平成24年度からJICA草の根技術協力事業として、JICAの予算による支援が始まりました。

これまでの3年間は、横浜市も職員を派遣し、色々市内のモデル地域において①避難マニュアルや洪水ハザードマップ作成 ・ ②避難訓練、避難所運営訓練の実施支援 ③防災教育 ・ 河川の環境改善、環境教育に関するワークショップ などを実施していきましたが

これからの3年間ではそれをバージョンアップし、①市役所の危機管理体制強化  ② 災害弱者(主に障害者)対応強化  ③大学と地域防災の連携強化 など、イロイロ市全体の地域防災力向上を目指した支援をしていきます。特に大学との連携は、横浜の大学にも参加してもらい実施していく予定です。

イロイロ市は河道拡幅や放水路建設等のハード整備を進める一方で、ハザードマップ作成や防災キャンペーン等の啓発活動も実施しているが、いずれも行政主体のアプローチであり、住民の関与が少ないということが課題でした。

そこで、横浜市が進めている、災害時自助・共助の取り組みを、イロイロ市に導入していこうという試みであり、いわば、横浜市の危機管理政策がアジアの危機管理政策の見本となっていく、日本の、そして横浜のプレゼンスをアジアの地域で高めていく、効果的なプロジェクトだと考えています。

 

実はこのレジリエンスを、僕は今後、横浜の実施している自助・共助モデルを軸として確立し、アジア各国の都市に進めていくべきだと考えています。

横浜市は1994年、国連防災世界会議を開催し、横浜戦略を採択しましたが、ようやく世界でも減災力という言葉が頻繁に出てくるようになりました。いわゆるインフラ整備のレジリエンスも重要ですが、議員立法した「災害時自助・共助推進条例」など、横浜が先駆けている自助・共助による、災害拠点運営や各ステークホルダーとの連携などのソフトインフラをメインに、特に台風による風水害や地震被害が多いアジアの発展途上国に広めていくことが、現代における自治体外交の目標とすべきものです。

自民党内でも議論が始まりますが、特に全国で初めての「災害時自助・共助推進条例」を議員立法した1人として、イロイロ市との連携を皮切りに、広くアジアに横浜モデルを紹介していきます。