くさまです。


地下鉄の街・都筑ですが、直下型地震が起こったとき、地下鉄に乗っていたらどうなるでしょうか?


先週の木曜日、交通局川和基地で、「午前9時半頃、横浜市域で震度6強の地震が発生、センター北駅~センター南駅間を走行中のグリーンラインの電車が脱線、架線破断により自力走行不能となった」という想定の、異常時総合訓練が開催されました。




訓練の内容としては


(1) 駅係員・運転士・緊急対応チームによる駅間に停車した電車からのお客様の救護・避難誘導





(2) 緊急対応チームによる施設及び車両の被災状況の確認と復旧班へ復旧内容の連絡



(今回初めて消防局も参加しました)

(3) 復旧班による施設(レール、架線等)及び脱線車両の復旧





といったものでしたが、交通局長以下、多くの職員や市民の皆さんが参加した訓練となりました。


備えとして、この訓練の意義は大きいです。


しかも、訓練をすればするほど、課題が明確にわかってきます。


まず、「駅係員・運転士・緊急対応チームによる駅間に停車した電車からのお客様の救護・避難誘導」ですが、そもそもブルーラインもグリーンラインも、ワンマン運転なので、乗車している職員は運転手1名です。


訓練では、駅係員、ならびに緊急対応チームが、事故車に駆けつけるというものでしたが、実際、直下型地震が起これば、駅係員は駅の対応に追われ、緊急対応チームは優先度が不明になり、そもそも、交通局の指令センターがパンク状態になります。


お客様の救護・避難誘導は、実際のところ、運転手1名で対応しなければなりません


今回は初めて消防局のレスキュー隊も参加し、救助訓練も行いましたが、直下型地震になれば、そもそも救急車恐らく来れませんし、救急隊もパンク状態になり、地上の「見える火災」優先になります。


なので、救急隊もまず来れないと思ってください。ブルーラインはラッシュ時、一車両につき、1000人を超えるお客さんが乗っていますが、1000人の避難を1名の運転手でマネジメントするのは恐らく無理です。


ということは、緊急時に大変重要なのは、お客さま同士のご協力、地下鉄車内の自助・共助の力が、命を守ることに直結します。


ここで、絶対に重要なのは、「勝手に地下鉄から外に出ない」ということです。電車が停まっても、起電している場合、特にブルーラインはトンネルの側面に電流が流れているので、勝手に外に出て触れてしまうと感電します。今回の訓練のように、時間がかかっても、運転手の合図や誘導があってから、車両の一番前から、順番に避難しなければなりません。


横浜市営地下鉄の場合、駅間の距離は平均して1キロ~1,5キロ程度ですので、歩ける方は歩けますし、助け合って歩ける方は助け合っていただき、補助があっても歩けない方は、車内で待っていただき、救援を待つことが大切です。


地下鉄車内に食糧備蓄はありませんが、必ず助けが来ますので、むやみに無理して避難しないでください。


地下鉄は地震に強い乗り物だと言われていますが、脱線すれば走れません。全線が恐らく止まってしまいますので、まずは待ってください。


夏は暑いですし、ラッシュ時には混雑していますので、窓はあけてください。でも、外には安全を確認するまで絶対に出ないでください。


今回の訓練でさえも、車内から出るのに地震が起きてから30分弱かかりました。本番は混乱しているのでもっとかかるでしょうし、後ろに乗っている人たちは1時間以上は普通にかかると思います。


もしかしたら、震災時には地下鉄の車内で1時間以上放置されるかもしれない。地下鉄に乗る皆さんには、こういった事態を想定し、心の準備をしてもらうのが、何より重要です。そう考えると、やっぱりマイボトルでもペットボトルでも飲み物は持ち歩いていたほうがいいと思います。


訓練をすることで、こういった課題を共有することができます。


備えましょう!