くさまです。


決算委員会が続いていますが、今日は温暖化対策統括本部・環境創造局関係の審査で、僕が登壇しました。


メインテーマの1つは「本格化する下水道インフラの老朽化対策」でした。


横浜には約11800キロの下水道管が埋まっています。


これはざっと見て横浜からニューヨークというとんでもない距離になります。


下水道施設はその多くが地下に埋設されているため、日頃の維持管理が非常に難しく、施設の機能維持に多くの課題を抱えています。しかも、市民にみえないため、課題は全く上がってきませんし、話題にもなりません。


横浜の下水道は、昭和40年代以降、他都市に例を見ないスピードで短期間に整備したため、今後は老朽化した下水道の再整備が急増してくることが予想されています。


今回、質問をするにあたって、約50年前に整備された下水道に実際に潜って見てきました。








これは、家庭から出る排水を集めて、水再生センターに送る幹線下水道ですが、建設後すでに50年が経過して、コンクリートがボロボロになり手で触ると崩れてくる状況です。


50年経過すると、さすがにボロボロで、相当危ないです。






また、この写真は、生活道路に埋設されている取付管などをチェックしているところですが、都市機能が集中する臨海部では、陶器で出来た陶管というものが使われており、既に破損が多く見られます。これらは、放っておくと道路陥没の原因にもなり、大変危険です。


一方で、横浜市では、これまでも計画的に下水道管の再整備を進めてきたようで、再整備が完了した現場も見てきました。






潜ったところ、このように内面を補強した再整備がなされていました。こういった長寿命化、メンテナンスがこれから大変重要になってきます。


が、100年間という長期的なスパンで下水道施設の再整備事業量を試算すると、これまでの整備履歴を元に下水道施設が老朽化すると、ピークでは現在の約10倍以上、年間2500億円という相当な事業費がかかります。


このような膨大な事業の執行は現実的に不可能ですので、横浜では、上の写真のような下水道管の内面を補強するような、長寿命化を進めていますが、それでも、現在の約5倍の事業費がかかります。


さらに、事業の前倒しをして、平準化しても、現在の年間250億円の2倍から3倍の事業費がかかります。


大都市として成長したヨコハマも、更なる発展を目指すためには、下水道にもより一層の経営的な視点が必要であり、本格的な都市インフラの維持管理と再整備は避けては通れません。


市民になかなか見えない課題だけに、これからの横浜市として重要な課題であると、今回現場を見て本当に実感しました。


安倍政権が発足して以来、我が党が中心となって、国を挙げて国土強靭化を牽引し、「国土強靭化基本法」を25年12月に制定、それに基づく「国土強靭化アクションプラン2014」を今年6月に打ち出すなど、我が国の持続・発展に向けて着実に取り組んでいます。しかし、国動きは遅いくらいで、横浜以上に多くの自治体が同じ危機に直面しています。


下水道は代替のない重要な都市インフラです。これがなければ、市の衛生は保てません。メンテナンスはお金がかかる課題ですので、長期的な視点で持続可能な下水道経営を進めるため、経営的な観点で市を挙げた取組を強力に推進することが重要です。


皆さんも是非、この足元の課題に目を向けてみてください。