くさまです。


金曜日の本会議で、財政責任条例案を自民・公明の共同提案で上程し、座長の鈴木太郎議員が趣旨説明をしたのちの各党からの質疑に対し、僕がPT事務局長として答弁をさせていただきました。



結い、みんなの党、共産党からの質疑を受けました。それらの答弁を抜粋してご紹介します。


Q 厳しい財政状況・財政見通しに対する基本認識は?


横浜市の財政状況の現状は、地方公共団体の財政の健全化に関する法律にもとづく健全化判断比率が、早期健全化判断基準値以下であり、政令指定都市で比較しても遜色がないこと、また、横浜市債の金融市場での評価として世界的な格付け機関からAA-の評価を得ていることなどから、直ちに危機的な状況ではなく、むしろ安定していると考えています。


一方で、個人市民税の依存率が高い本市の税収構造を鑑みると、迫りくる人口減少や急速な高齢化の進展、また、高度経済成長期の都市化とともに整備されたインフラの大規模メンテナンスなど将来の財政状況を楽観できない要因があるのも事実だと認識しています。


Q 4条「 財政の健全性の維持のための目標設定」の指標・期間等の運用の見解は?


本条例4条では、「横浜市議会基本条例に規定する基本計画において、財政の健全性の維持のための目標を設定するものとする」。としています。目標および取り組みの期間はその基本計画の期間とし、それに応じた検証、ローリングも期待するところです。


Q 4条 目標設定への期待は?


本条例の趣旨は、市長が自ら財政目標を設定し、その達成に向けた取り組みを明らかにし、議会に説明することで、責任ある自律的政策展開を促すものであり、その趣旨に則った、確かな目標設定を市長には期待するものです。


Q 長期財政見通しも作成をしたほうがいいのではないか?


長期財政見通しについては、自民党としても議会において継続的に提案をしております。本条例案では8条において、市民に分かりやすい資料を作成し、これを市民に公表するとともに、市政への信頼性を向上させるよう努めるものとする」と規定しており、長期財政見通しをはじめ、財政運営の透明性を高めるための施策の推進を、本条例制定後もさらに期待するものです。


Q よこはま自民党が選挙で公約した「財政健全化条例」と今回提案されている条例案との関係、その趣旨がどのように財政責任条例に反映されているのか


自民党の公約では、仮称・横浜市財政健全化条例によって、「横浜市の財政を健全化するため、行政の政策や事業が肥大化することを防ぎ、新しい財源確保の政策や、市債の発行に一定の歯止めをかけるための政策を条例化して規定します」としました。


この考え方に基づいてプロジェクトチームを設置し条例化の検討に着手しましたが、我々の調査検討の過程で、財政を健全に運営していくには他都市でみられるような財政健全化条例よりも財政運営にかかわるステークホルダーにその責任を負ってもらうことを明確にする財政責任条例のほうが、より効果を発揮すると考え、本条例の上程に至りました。したがって我々としては本条例が公約に示した財政健全化条例の果たすべき機能を実現するものと考えております。


Q 海外の財政責任法と財政責任条例の違い


海外の事例におきましても、本条例案と同じく、財政運営に関する一定のコミットメントの明示、それに対する取り組みや戦略の作成、各種財政予測の発表、議会への報告についての運用が行われていますが、例えばニュージーランドの財政責任法においては、財政のコミットメントを内閣の担当大臣である財務大臣に求めています。本条例案では、市長と議会の両者が、基本原則や責務を共有しながら、将来にわたる責任ある財政運営の推進に資することを目的とし、首長による責任ある自律的政策展開を促す仕組みとしています。


Q 国において財政責任法がない中で、自治体が財政責任条例を率先することについての効果と期待


国と異なり、市民生活と直結する市政における財政の議論は市民により身近で、非常に重要な自治の要素であり、自治体の民主主義を支える根幹だと考えています。

また、安倍内閣で大きく変わりましたが、首長の就任期間が不安定で、いわゆる基本計画の策定義務がない国よりも、就任期間が一定程度安定し、また基本計画も策定している自治体のほうが、より市民にとってわかりやすく、実行性がある財政目標を立てやすいと考えます。


Q 条例制定により歳入増加策を無尽蔵に増税や利用者負担に転嫁させるのか?


本条例を制定することにより、歳入増加策を無尽蔵に増税や利用者負担に転嫁することは全く想定しておりません。


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議論はこれから委員会に移ります。委員会は時間無制限の1問1答ガチンコ議論なので、かなりしびれますが、丁寧にやっていきたいと思います。


採決は6月3日の本会議です。