くさまです。


文部科学省は昨日、中学・高校向けの学習指導要領の解説に、尖閣諸島と竹島を「わが国固有の領土」と明記する改定をし、発表しました。


4月に始まる中学向けの教科書検定から適用され、中学は2016年度、高校は17年度に使用が始まる教科書に反映される予定です。


この動きには中国・韓国が反発しています。


◆独島領有権明記に抗議、日本大使の車に突進

朝鮮日報1月29日


韓国の一部保守団体メンバーらは28日、駐韓日本大使館前で、独島(日本名:竹島)が日本の領土だという主張を中高教科書指導要領解説書に明記することにした日本政府への抗議デモを行った。


共同通信などによると、市民団体「愛国国民運動大連合」のオ・チョンド代表は同日午後2時ごろ、ソウル市鍾路区の日本大使館前で別所浩郎大使が乗っていた車に突進したという。オ代表は塩・唐辛子・玉ネギなどを投げ付けようとしたが、警察により制止された。別所大使は韓国外交部に呼び出され、向かう途中だった。


同じ時刻、市民団体「活貧団」メンバー5人が日本大使館前に集まり、安倍晋三首相の顔が描かれた布に「Fキラー」(スプレー殺虫剤)を噴射、ライターで火を付けるなどの抗議デモを行った。


また、道に塩をまき、安倍首相の写真や「竹島」と書かれた紙を破るパフォーマンスも行われた。

活貧団の洪貞植(ホン・ジョンシク)団長は「アジアのF評価(落第点)国家・日本を糾弾しようと思って『Fキラー』を持ってきた。きょうは序幕にすぎない。来月22日の『竹島の日』行事には日本の首相官邸前に行き、強く抗議する」と警告した。<<<


中国の尖閣諸島への圧力は、共産党の政治的な動きがメインですが、韓国における竹島問題は国民運動です。韓国の方々の竹島への思いは、僕らの思い以上のものがあると僕は考えています。



(韓国国会の入り口には竹島の写真が大きく展示されています)


「独島を守れ!」という国民1人1人の意識が、日本のそれと全く異なります。


僕はその理由が、韓国の徹底した領土教育と、そもそもの韓国の歴史に基づいているものだと考えています。


韓国の歴史は僕ら日本の歴史と全く異なります。韓国は大陸(中国)と日本からの侵略と、自国内の内乱の時代を長い間経験してきました。モンゴルに侵攻されていた時は、王朝が韓国本土から島(江華島)に半世紀ほど逃げた時代もありました。


主権を失った時代も長くあり、領土を失った時代もあり、「主権」に対するハングリー精神が、DNA的に僕ら日本人より強いと、僕は韓国の方々と話をしていて感じています。


ですから、主権の象徴である領土に対する思いは、本当に強いものがあります。


特に竹島は、韓国が歴史上はじめて日本をはじめとする外国から奪った土地です。韓国の方々からすれば、侵略を受け続けてきた歴史の中で、民族の誇りをかけた島だと思います。「死んでも守る」というのが、彼らのスタンスだと思いますし、実際そうするでしょう。


一方、僕ら日本人の竹島に対する意識はどうでしょうか?


竹島が島根県にあると、どれほどの国民が知っているでしょうか?


島根県の竹島が韓国に不法占拠されているという事実をどれほどの人が認識しているでしょうか?


学生の時に韓国に行って、韓国人の友人と飲んで、ある程度酔っぱらうとこの話題になりました。しかし、当時の僕は、政治に関心はありましたが、竹島の歴史的背景を全くと言っていいほど知りませんでしたし、そもそも日本の領土を「ここからここまで」と明確に答えることができませんでした。


相手が真剣に領土のことについて話しているのに、そもそも前提が理解できていなければ、話はまったく進まず、噛みあいません。まずそこで「日本はどうなってるんだ?」と疑問を持たれました。


僕も竹島に対する持論をもっていなかったし、答えられないので、韓国の友人に酔っぱらないながらも、ちょっとあきれられた記憶を今でも鮮明に覚えています。


日本の領土の最北端が北海道の択捉島、最南端が東京都の沖ノ鳥島、最東端が東京都の南鳥島、最西端が沖縄県の与那国島。皆さんこのことを知っていますか?




正直、僕は、大学院生の時に初めて「日本の領土」が自分の頭の中に入りました。僕は社会が大好きだったので、中学地理の成績で最も上の5以外はとったことがありません。その「5」の僕でも、22歳まで知りませんでした。子どもの時に教えてもらった記憶も申し訳ないのですがありません。


議員になって、より多くの韓国や中国の人たちと向き合うようになりましたが、お互いが主権国家として向き合うときに、話の前提として自国の領土を知らないというのはあり得ません。


それは政治家ではなくとも、学生同士、またビジネスをやる者同士でも、どのレベルでも、相手が韓国や中国、台湾、ロシアなどの方々なら、日本人として知っておかなければならないことだと思います。


今回の教科書問題で感じなければならないことは、韓国や中国の方々の反応にむかつく前に、まずは主権国家の主権者として、自分たち日本国民の領土への意識を考えることです


右も左も関係なく、主権者としての意識を改めなければなりません。話はそこからです。