くさまです。


先日の日の出TVは、「災害時の自助・共助って何?」というタイトルで御送りしましたが、


実は、この1年間、よこはま自民党内のプロジェクトチームで、災害時にいかに市民の命を守っていくかという議論をつめておりました。


横浜市としても震災対策条例を全面改正し、防災計画を見直し、1800億円を注ぎ込んで「共助」としての防災対策を行なっていますが、どんなにお金を積んだとしても、市民1人1人、また市内事業者の防災意識が高まらなければ、救える命も救えません。


たとえば、市内有数のビジネス街を抱える中区では、区内企業300社を対象にした昨年のアンケートで4分の3が災害時の従業員留め置きを検討していないことが判明しました。


津波を別とした帰宅困難対策の基本は「留め置き」ということなのに、実はこの対策が全く市民レベルで徹底できていません。


1人1人ができるであろう、自宅の家具の転倒防止さえも、実は多くの市民の皆さんが実践していません。


家具が倒れて、お子さんが大怪我をして出血しても、残念ながらおそらく救急車は迅速に対応できません。


横浜市の場合、小中学校を「地域防災拠点」に指定していますが、今でも市民の大多数の方々は、防災拠点運営委員会が主催する防災訓練に参加したこともありません。


命を守るためには、行政に頼るだけでなく、まずは我々自身ができることをしっかり実践し、そして地域で守る命をしっかりと守る必要があります。


条例を制定すれば、それがすべて解決されるわけは勿論ありませんが、僕ら議員にできることは、災害時の「自助」「共助」の取り組みを、しっかりと体系化し、実践のマネジメントに組み込んでいくことです。


今まで、この「自助」「共助」の横浜市における取り組みは、正直根性論ベースの話でしたが、この条例をつくることにより、より災害時に命を守るための政策サイクルが、行政レベル・区レベル・市民レベルでまわっていくことを期待しています。


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全文は、よこはま自民のウェブサイト で公表していますので、


是非、ご意見をいただければ幸いです。


◆横浜市災害時における自助及び共助の推進に関する条例(案)
 
この条例は、災害から横浜市民の生命、身体、財産を守るため、災害時における自助・共助の理念と、市民・事業者それぞれの役割を明らかにすることにより、自発的な防災に関する活動の促進を図り、災害を軽減する減災社会の実現を目指すことを目的とします。
 
1、自助・共助とは?(3条)
横浜市の災害対策は、行政が行う共助と、以下の自助・共助の理念を基本として実施します。

自助→ 市民・事業者が、自己の責任により、災害から自らの安全を自らで守るという理念

共助→ 市民・事業者が、地域において互いに助け合い、互いを災害から守るという理念


2、自助・共助を進めるための市の責務(5条)
横浜市は、自助・共助の理念を推進するための体制整備、啓発、防災に関する情報提供等を行い、市民の自発的な防災に関する活動の促進を図ります。また、各区の区長は、各区の地域性に応じた自助・共助の防災施策を講ずるものとします。



◆自助の取り組み (第2章)


1.生活物資の備蓄(6条)
市民は少なくとも3日分の食糧、飲料水、医薬品等の生活物資を備蓄に努める。


2、落下・転倒の防止(7条)
家具、家電製品、事業用機器などが容易に転倒、落下しない対策(窓ガラス飛散防止対策をなど)に努める。


3、連絡方法の確認(8条)
災害時における家族の安否確認のための連絡方法、集合場所等を確認しておく。


4、防災知識の習得 (9条)
研修会、訓練、ボランティア活動など防災に関する活動に積極的に参加し、防災に関する
知識・技能の習得に努める。また、主催者は若年者の参加を促進する。(9条2項)
自分たちが住んでいる地域の災害時危険な箇所、避難場所、避難経路、避難方法など、自らの安全を確保するために必要な情報の確認を行う(9条3項)


5、自主避難(10条)
自ら防災に関する情報の収集に努め、避難すべきと判断したときは、速やかに、自主的に避難する。また、避難勧告や避難措置の発令があったときは速やかに非難する。


6、従業者の安全確保(11条)
事業者は、災害時における従業者や顧客の安全を確保するよう努めるために、事業所や設備の災害時における安全性を確保し、消火、救出救助のための資材・機材の整備に努める。また、事業者は、災害時における避難場所、避難経路、避難方法など従業者の安全確保のために必要な事項を確認し、従業者に周知する。


7、事業活動の継続(12条)
事業者は、災害時において、事業活動を中断しないよう、また、中断した場合においては早期に再開できるよう事業活動を継続する体制の整備に努める。


8、従業者の一斉帰宅抑制(13条)
事業者は、災害時において、公共交通機関が停止し、復旧の見通しがないときは、従業者や顧客の安全確保のため、事業所内での待機の指示など、従業者らの一斉帰宅抑制に努める。そのために事業所内の環境を整備し、少なくとも3日分の従業者等のための食糧、飲料水等の生活物資を備蓄するよう努める。(13条2項)また、あらかじめ、災害時における従業者との連絡手段の確保に努め、従業者の家族や緊急連絡を要する人との複数の連絡手段の確保など、準備すべきことを従業者へ周知する。(3項)



◆共助の取り組み(第3章)


1、町の防災組織(14条)
市民は、町の防災組織が「共助」の中核をなす組織であることを認識し、その活動に積極的に参加するよう努める。また、町の防災組織は、横浜市、事業者、関係機関等と連携し、防災に関する知識の普及、災害が発生するおそれがある危険な箇所の定期確認、防災訓練や災害予防対策を地域の実情に合わせ日常的に行い、災害時においては、情報の収集・伝達、避難誘導、初期消火、救出救助など応急対策を実施するよう努める(2項)また活動の実施等に当たっては、若年者が災害時に果たす役割の重要性を認識し、若年者の参加を促進する。(3項)


2、地域防災拠点の運営(15条)
市民は、地域防災拠点の活動の充実を図るため、地域防災拠点運営委員会の活動に協力し、積極的に参加するよう努める。また、地域防災拠点運営委員会は、避難者の安全・安心を確保するため、女性、乳幼児、高齢者、障害者、外国人などに配慮した地域防災拠点の運営に努める(2項)。


3、災害時に備えた地域連携(16条)
町の防災組織・事業者は、災害時における食糧、飲料水、医薬品等の生活物資の供給、輸送等に関する協定を締結するなど、日頃から災害時に備えた地域連携を構築するよう努める。


4、災害時要援護者の支援(17条)
町の防災組織は、高齢者、障害者など、災害時において特別な配慮、支援等を要する災害時要援護者の避難誘導、救出救助等を円滑に行うため、市と連携し、あらかじめ、災害時要援護者に関する情報を把握し、支援体制の整備に努める。