くさまです。
僕ら自民党の安倍内閣が、TPP交渉に参加表明しましたが
TPPの問題は、農業や保険など、国策だけの問題ではなく
これから報道されていくと思いますが、
電気通信サービスや、動物検疫、環境など21の分野が議論されています。
◆議論されている21分野
http://www.nikkei4946.com/zenzukai/detail.aspx?zenzukai=vpki4SN21puUbxlPRyIePg%3d%3d
この中には「政府調達」という、いわば公共調達・行政の発注も入っており
農業や医療も勿論ですが、横浜市会議員としては、この「政府調達」の「政府」に
日本政府だけでなく、地方自治体、つまり横浜が入るかどうかが、とても気になっています。
横浜市では、議員立法で「中小企業振興基本条例 」が制定されています。
この条例の趣旨は、横浜市が行う公共事業や必要なものの購入において
どうせ税金を使うならば、市内に本社を置く企業を優遇し
市内で仕事を循環させ、企業には儲けたぶん、法人税を再度横浜に払ってもらおう。
とするもので、今や横浜の取り組みが全国の自治体に広がっています。
なんですが、今、TPP交渉の扱いで議論になっている重要事項に
ISD条項というものがります。
英語の「Investor(投資家) State(国家) Dispute(紛争) Settlement(解決)」の頭文字の略称で、
具体的には外国企業が投資先の国の対応によって損害を受けた場合、
国連の仲裁機関などを通じてその国を訴えることができるものです。
万が一、「政府調達」の「政府」に地方政府が入ってきた場合、
全国で制定されている横浜のような地元の中小企業を優遇する政策、条例は、ISD条項に抵触する可能性があります。
同じように、僕が大学院時代に関わった
「えさし地産地消推進条例」のような、地産地消の取り組み、地元のお米を学校給食で使うことを義務付けるような条例も
ISD条項に抵触する可能性があります。
じゃあ、「横浜の中小企業条例は無効だ!」と言って、アメリカの企業が横浜の公共事業を取りに来るかというと
通訳や人の調達など、相当の手間も時間も金もかかりますから、
外国の企業が入ってくる可能性は低いと思います。
逆に、国内の大企業が横浜にどんどん入ってくる可能性があります。
現に、TPPと同じようにWTO案件という国際ルールに則った制度もありますが
海外の企業が受注した経緯は無く、
横浜の仕事の約30億円分を市外業者が受注している実態です。
これは、横浜だけでなく、全国でそうですし、海外でも事情は同じだと思います。
海外の自治体でも、たとえば横浜と姉妹都市のサンディエゴでも事情は同じだと思います。
結局のところ、日本では、東京や大阪に本社を置く大企業の一人勝ちになり
海外の企業も地方も何もメリットがありません。
TPPの公共調達に地方政府を入れないこと。
まさにここが交渉のポイントだと考え、党内でも訴えていきます。
昨年、実はこの議論を議会で取り上げ、記事になっていました↓
2012年3月13日 読売新聞
TPP政府調達分割発注 市方針 中小企業受注しやすく
環太平洋経済連携協定(TPP)で交渉のテーマとなっている、政府や地方自治体が発注する公共事業や物品、サービスなどの「政府調達」について、横浜市は12日、発注金額を少額に分けて分割するなど市内中小企業が受注しやすくなるように取り組む方針を示した。
同日の市議会予算特別委員会で、草間剛委員の質問に市幹部が答えた。
日本は世界貿易機関(WTO)の政府調達協定(GPA)に加盟し、自治体の3000万円以上の物品購入などは原則として一般競争入札などにより国内外の企業に開放している。横浜市では2月末現在、2011年度の物品購入の約16%(約71億円)が同協定に基づいて調達され、このうち半数が市外企業により受注されている。
TPPでは、750万円以上の物品購入などの対外開放がテーマの一つになっており、仮に、自治体に適用された場合、同市では物品購入の約35%が対象となる。
同委員会で、柏崎誠財政局長は「少しでも市内事業者が受注しやすくなるように、分割発注など工夫してきた。(750万円以上が対象となった場合も)しっかり取り組んでいく必要がある」と答えた。
草間委員は「横浜市にとっては死活問題。何らかのアクションはしていくべきだ」と述べた。