くさまです。
横浜市会の予算委員会、局別審査が終わりました。
僕は、水道局、文化観光局、環境創造局を担当しましたが
それぞれの質問の前には、それぞれの担当者・所管との「質問調整」があります。
議員は何を質問するのか?どういう趣旨で質問するのか?誰が答弁するのか?
それくらいのニュアンスで答弁できるのか?そもそもやるのか?
ということを、本番に議員が局長や副市長に質問するまでに、担当が調整して、
質問に対する答弁をつくるためのいわば国会で言う「質問取り」で、
実は国会でも地方議会でも、この「質問取り」に対する作業と言うのが職員にとっては膨大で
議員の「質問通告」が遅れると、よくテレビで言われる深夜タクシー状態になります。
本番でガンガンやればいいんだから、事前調整なんていらない!
議員と職員の予定調和じゃないか!?という意見もありますが
政策を批判するだけなら、それで全く問題ありません。
しかし、僕は批判するだけの議員にはなりたくないし
政策を進める、結果を出すことに何より重きを置きますので
「質問調整」に入った瞬間から、本番以上の勝負だと思って望んでいます。
例えば水道局の質問 において
25分の持ち時間で、「これを質問するから」と、大きな項目で6つの通告をまずします。
それぞの項目には所管がありますので、その所管課長と喧々諤々やり合うのですが
1つの項目で担当課が違いますので、調整時間も長くなります↓
1 水道事業運営の公共性について→経営企画課
2 横浜ウォーター株式会社の国内事業について→事業開発課
3 水道管の更新・耐震化について→計画課、経営企画課、給水課
4 水道局の孤立予防対策の取り組みについて→料金課
5 配水池における応急給水について→サービス推進課、総務課
6 「はまっ子どうしThe Water」によるTICADプロモーションについて→横浜の水プロモーション課
この中で、2番目の「横浜ウォーター株式会社の国内事業について」では
下水も含めて国内展開していく必要がある!という僕の主張に対して
事業開発課としてはまだ調整中ですので、だとか、検討はしているんですが、とか
「議員の仰る通りなんですが・・・」的な議論が続くわけで、なかなからちが明きません。
結局5回くらい別日で調整が続くのですが、新たな資料や記事を出したりして
何回も議論を繰り返して、あの手この手でアプローチを変えて、
結果、「積極的に行う」という「副市長答弁」という調整につなげるわけです。
それが質問になって、本番のやり取りになって、こんな風に報道される経緯なんです↓
◆横浜ウォーターが下水道事業強化へ、副市長が市会答弁/横浜市
神奈川新聞 3月7日(木)
横浜市水道局が100%出資する横浜ウォーターが、2013年度から下水道に関する業務について強化する方針であることが7日、分かった。同日の市会予算第二特別委員会局別審査で、草間剛氏(自民党)の質問に大場茂美副市長が答えた。
市水道局などによると、これまで横浜ウォーターは上水道をメーンに、上下水道事業に関わるアドバイザリー業務や水道技術者研修の受け入れ、浄水施設の運転管理などを行ってきた。13年度からは業界などのニーズも踏まえ、市環境創造局の協力を得て下水道関係の事業にも本格的に乗り出したい考えだという。
市環境創造局は「水道局と連携し、下水道事業に関するノウハウを役立てていきたい」としている。
大場副市長は「国内中小規模の事業体の多くは水道事業のみならず、下水道事業についても技術職の確保や経営基盤の強化など、事業継続に向け課題を抱えている。課題の解決に貢献するのは横浜ウォーターの重要な役割」などと述べた。
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いわゆる皆さんには公表できない「水面下」のやり取りになるわけですが
プライバシーや、法的に流すわけにいかない情報も飛び交うかもしれないので
当事者としては、公開できる限界まで質問の中で透明化していきます。
じれったい!ですが、我慢して、こういった課題を乗り越えて、
1つの政策にたどりつくプロセスを、ないがしろにしてはいけないわけです。
この「質問調整」と本番の「質問」を、インターンの前川さん(19)に見てもらいました↓
水道局の質問調整と、実際の委員会での質問を拝見して
質問調整では、その時に気になった部分について細かく話し合われていたので、実際の委員会ではそれをまとめて復唱しているような印象を受けました。
質問調整のときに浮き彫りになった問題点がありましたが、それについても委員会では今後改善していくという意思表示の確認という風に見えました。
また、他の議員の方も何名か質問されていましたが、水道局だけでも様々な分野に対する質問がされていて、その点について少し驚きましたが、細かい部分まで質問と回答を重ねることで、水道局ではより具体的に様々な計画を進めていけると感じました。
まとめますと、他の議員の方がどうなのかはわかりませんが、草間さんに同行して2つの場を見た感想としては、草間さんは質問調整ではかなり細かい点まで掘り下げていたと思いましたので、委員会という場は水道局との再度の確認と、他の議員の方への現状況の報告という目的のためにあると感じられました。
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前川さんには書面で守秘義務を負ってもらっていますが
かなり正直に言ってくれているなと思います。
ただ、僕も行政の答弁自体は何が来るのか本番じゃないと分かりません。
答弁によっては、その場でかなり通告外の質問をします。
「セレモニーかよ?」というジレンマは、正直結果を求めれば求めるほど抱えてきます。
が、だからこそ、一問入魂で、自分の言葉で、政策を前進させていくことを大事にします。
質問では絶対に発汗しますが、終わった後は「明日のジョー」のようになります。
議員として、予定調和は絶対にダメです。
が、単なる批判だけではなく、政策を進めていきたい。
そのために、これからも「一問入魂」で、発汗していきたいと思います。