くさまです。
アルジェリア事件では、悔しいことに、尊い命が多数失われました。
被害者の家族やご関係者は大きな深い傷を負われました。
政府は遺族・日揮とも協議して、被害者の実名を出さない方針を決定し
報道各社は名前が判明しても、それに倣いました。
朝日新聞を除いては、です。
21日深夜、日本政府は日本人犠牲者がいたことを確認しそれを公表しました。
その会見の際に菅官房長官は経過の説明を踏まえ、
犠牲者の実名を明かさないことを表明しましたが
翌22日、
朝日新聞は遺族から出さないでと言われていた犠牲者の実名と
facebookから無断で取った写真を公表しました。
これが発端となり、テレビ、他の新聞各社も追随、実名が広く報道されることになりました。
その方の遺族は、僕が大変お世話になっている本白水さん です。
朝日新聞は、事件が起きてすぐに本白水さんとコンタクトを持ち
事件後の16日・17日の朝日新聞紙面では、
匿名で、被害者親族というかたちで
本白水さんと思われる人のコメントを出しています。
本白水さんも認められていて、本人のブログでも書いています↓
”今回のアルジェリアの一連の事件に関しての取材に協力する際に、私は被害者の親族として事実関係を報道することに協力する意をもって取材を受けましたが、前提として私と「人物が特定できるような記事は書かない」「記事にする際には私に許可を取る」とした約束をしました。”
ポイントは”私と「人物が特定できるような記事は書かない」「記事にする際には私に許可を取る」とした約束をしました。”ということです。
朝日はこれを破って、
22日の朝刊に人物が特定できる記事を本白水さんに無断で掲載しました。
結果、朝日新聞だけに被害者の実名と顔写真が掲載されました。
業界的には「朝日が(特ダネを)抜いた!」ということなんですが。
この対応は三流週刊誌レベルだと思います。
「S○A!」とか「PLAY○○Y」のレベルです。
現場記者からしてみれば
本白水さんと最初にコンタクトをとれたところで、記者としての評価は大きく上がり、
取材に徹底、まい進したんだと思います。
記事にもできる話も聴き、取材メモは必ず上司にあげ、
事実をすべて記事として書いて、上司にあげているとも思います。
社内的には特ダネのチャンスであり、
取材する、事実を伝える現場の記者としては当然だとも思います。
しかし、ここからが新聞社の理性と尊厳の問題です。
現場記者が上げてきたものを実際新聞に載せるのかどうか
これは思いっきり編集マターです。
僕が知っている某新聞社は、事実は朝日同様に押さえながら
掲載するのを見送りました。
部数は伸びないかもしれませんが、報道の理性は守りました。
信用に値します。
朝日は、今回の1件で、遺族の心をズタズタにしたばかりか
取材もとからの信用を失いました。
編集側がそんな理性なのですから、
僕なら今後、街ネタ以外の朝日の取材を受けません。
本白水さんは朝日に対して抗議をしていますが
謝罪もないということ。
あなたに葛藤はないのか。
朝日の横浜支局に葛藤はないのか。
現場の記者に葛藤はないのか。
本白水さんごめんね、僕も政治家としてできることをやります。