くさまです。


僕が勤めていた早稲田大学マニフェスト研究所 (北川正恭元三重県知事)が


とうとう選挙前の各党事前マニフェスト評価 をやり始めました。


都筑のくまのルーキー日記

(一番左が北川先生。)


今回マニ研が行ったのは、各党のマニフェストや公約の政策や中身の評価ではなく


ビジョンがあるか、一貫性があるか、数値目標が掲げられているか、主権者に伝えやすくなっているか


など、いわゆる形式評価を行ったのですが


民間団体などは、投票の際、政策の中身に踏み込んで評価するところもあります。


お隣の韓国では、事前マニフェスト評価がかなり盛んです。


しかもそれを国家、選挙管理員会が主導してしまうそうで、


実は韓国の3大紙の一つである中央日報では、こんな社説が出ています↓


【社説】日本民主党のポピュリズム公約謝罪を反面教師に
2011年07月23日


国家最高指導者と政府・与党幹部、内閣の長官がぞろぞろと、2年前の総選挙時の‘ばらまき公約’について謝罪し始めた。隣国の日本のことだ。


昨日、菅直人首相は09年総選挙の公約について「財政的な見通しがやや甘かったことをおわびする」と明らかにした。民主党の岡田克也幹事長も前日、「率直におわびしたい」と低姿勢になった。菅首相に続いて、枝野幸男官房長官、玄葉光一郎国家戦略担当相ら閣僚の謝罪発言が相次いだ。民主党が2年前の総選挙で掲げた子ども手当、高校授業料無償化、農家戸別所得補償、高速道路無料通行などの公約が、選挙で何とか勝というというポピュリズムの発露だったという点を事実上認めたということだ。


来年の総選挙・大統領選挙を控えてすでに尋常でない韓国の政界は、日本の執権勢力の恥辱を反面教師としなければならない。「現金ばらまき」式公約の甘さに惑わされて投票した結果がどういうものになるか、国内の有権者もよく考えることを望む。


日本民主党の異例の謝罪は直接的には自民党の圧力によるものだ。自民党が赤字国債発行法案の通過に協力する代わりに謝罪を要求したからだ。しかし民主党自らもすでに財源確保が難しいという点を悟り、今年1月に「事業を見直して必要性が低いものは削減・廃止する」と決めた。子ども手当を当初の半分に減らしたのに続き、最近では所得レベル別に差別支給する案がまた議論され、高校授業料無償化、農家戸別所得補償政策も見直し対象に挙がった。


しかし最近の韓国の政党の‘ばらまき競争’を見ると、まだ日本はましだという印象を受ける。韓国の民主党が年初に掲げた「3+1(無償給食・無償医療・無償保育+半額大学授業料)」を実現するには16兆4000億ウォン(約1兆2000億円、民主党推測)~48兆6000億ウォン(ハンナラ党推測)かかるという。


莫大な金額も金額だが、所得に基づく段階的な大学授業料支援を主張していた野党代表が、ろうそく集会に一度参加した後からは「大学生全員に支給」に急変するのだから、さらに不安になる。与党のハンナラ党も「右派ポピュリズム」とかなんとか言いながら軽率な言動を見せている。ばらまき競争にばかり気をとられ、健康保険改革、使用済み核燃料処理場立地選定など至急な国家的懸案は無視している。


李明博(イ・ミョンバク)大統領の東南圏新空港白紙化関連の謝罪など私たちも誤った公約について謝罪をした前例がある。重要な点はやはり甘言にだまされない有権者の冷徹な判断力だ。


中央選管委が法制化を推進中のマニフェスト(公約事前検証)制度も早く導入する必要がある。公約に必要な予算と財源調達方法を選挙前に徹底的に検証するよう義務化すれば、ばらまき公約はかなりろ過されるだろう。日本与党の屈辱を他人事と考えてはならない。