くさまです。


市内10億円の補正予算をかけて選挙事務が執行されますが


今回の選挙で大変なのは間違いなく開票事務です。


都筑のくまのルーキー日記

(いわゆる普通の開票所)


政党乱立で、比例の開票事務は絶対に混乱します。


横浜市も市内18か所、6900人の職員が開票事務にあたりますが、


未明までかかると政治家も職員も思い込んでいる開票事務を、


改善を積み重ねながら迅速に正確に取り組む自治体が全国で増えてきています↓


都筑のくまのルーキー日記

(改善を続ける相馬市の開票所)


僕も早稲田大学マニフェスト研究所に勤めていた時から


北川正恭教授が提唱した「コンマ1秒の改革・開票事務改善 」に取り組んでいます。


公職選挙法では選挙管理委員会の役割として


【6条2】
「都道府県の選挙管理委員会及び市町村の選挙管理委員会は、選挙の結果を選挙人に対して速やかに知らせるよう努めなければならない。」


と規定しています。


正確性は勿論なのですが、結果を早く伝えるというミッションを、長い間自治体は忘れてしまっていた感があります。


そこで、「これや!」と北川教授が目を付けたのですが、僕は正直何が何だがわかりませんでした。


「だって正確にやらなきゃいけないから時間かかるのは仕方ない」と思っていました。


が、北川教授は知事の経験から、開票事務改善を、行政事務改善の「一点突破全面展開」のツールとして考えたわけです。


開票事務という1日の作業の中でも


実は改善できる点がいっぱいあるわけなんです↓


投票所において投票用紙を配布する際、指にすべり止めを塗らないこと
色つきテーブルクロスの使用
適度な大きさの開披台の確保
台のかさ上げ
十分なスペースのある会場の確保
担当者会議の開催
事務従事者全員のタイムスケジュールの作成
首長による激励・改善指示等
冷房等の良好な作業環境の整備
開票作業のシミュレーションの実施
班長会議等の責任者会議の開催
全体マニュアルの作成
終了時間の目標の設定


ざっとこれだけあります。横浜市どれだけやってますか????


自治体が開票時間短縮に取り組むことで期待できる効果としては


1.住民に速やかに結果を知らすことができる

2.経費節減につながる

3.職員の負担軽減につながる

4.職員の意識に変化が起こる


などが考えられますが、


特に「職員の意識に変化が起こる」マネージメントも多く期待されるわけで


開票時間を上記のような改善事例に基づいて短縮するためには


1.目標を設定する
2.現状を分析する
3.目標と現状のギャップを見いだす(課題)
4.いつまでに達成したいのか(期日)
5.どのようにすれば達成できるのか(戦略)
6.具体的に実行する
7.チェックする
8.改善する


こういった、PDCAサイクルが必要になるわけです。


これって、他の業務に活かせるでしょ?とピンときた首長さんたちが熱心に取り組んでいます。


早稲田大学マニフェスト研究所では開票時間ランキング を公開していますが


例えば横浜戸塚区の開票所よりも投票数が9万票も多い東大阪市は


開票事務で一番困難な参議院比例の開票事務を3時間55分で終わらせています。


ちなみに戸塚区の開票時間は6時間31分でした。3時間も違います。


この3時間の差が何なのか。


単純な理由ではないと思いますが、まだまだ改善できるはずです。


長野県小諸市は、知事選の開票事務を17分で終わらせました


僕も小諸市の現場には何回か視察にいきましたが


選管事務局長以下、職員1人1人の意識が違います。


事前のシミュレーションを繰り返し、まるで勝負のようでした。


「お役所仕事」も、やれば変えられる!という開票事務改善、時間がない中ですが、是非とも横浜市頑張ってください。