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クサキモさんの映画感想

映画のことなど何一つ分かっちゃいない人間が、才気溢れる人々が精魂込めて創りあげた作品に☆をつけるというイタいブログ。ホントになんも分かっちゃいませんが、映画を観るのが好きです。

滅びゆく地球。
新天地を求める人類。


マシュー・マコノヒー演じる主人公は、
科学者たちの要請を受け、危険な惑星探査の旅に出ます。
愛する娘を地球に残して。


ここまで観て、私は不覚にも、


尊い自己犠牲。そして魂はつながれてゆく。


というような、


ある種、誇り高くて愛情深い、
ある種、独善的で薄気味の悪い
展開を想像してしまったのですが、
そこはクリストファー・ノーラン監督のこと。
そんな安易な映画は創りませんでした。


ではどういう映画かというと……


なぜか祖父のことを思い出したのです。


祖父は晩年施設に入っておりましたが、
私はあまり見舞いに行きませんでした。
行くと必ず流れる、なんともいえない沈黙。
その息詰まるような時間が嫌で重い腰が上がりませんでした。


そうこうしているうちに、
祖父の時間は止まってしまいました。


止まったことによって、
私はそれまで故意に遠ざけてきた
時間というものの存在を強く意識しました。
残された時間はそう多くなかったのだという分かり切った事実を、
今更ながらに突き付けられ、後悔しました。


人生においては様々な選択をしなければなりませんが、
その重要度は、残された時間によって決まるような気がします。


正確には、残された時間と富でしょうか。
ただ富のほうは
自分でなんとかする決まりらしいので、
とりあえず脇にうっちゃってしまって、
時間のほうです。


時間が充分にあれば、
たとえ後悔の残る選択をしても、
努力次第でやり直すことは可能でしょう。
1回の選択にかかる重要度は下がります。


でももし、その選択によって、
これからの1時間が7年間になるとしたらどうでしょうか?


主人公にはいくつかの仕事があります。
そのうちのひとつは大きな成果が上がりそうな仕事です。


しかし、
その仕事に1時間かけると、地球の時計は7年間進みます。
地球に残してきた愛娘は3~4時間で同い年になります。


この場合の選択はとんでもなく重大です。


時間をなるべく遠ざけて生きてきた私なんぞは、
ワーってなって誰かに決めてほしくなるくらい重大です。


そうです。
この映画は“時間”と“選択”を描いた作品です。


これを観ながら、人生の“時間”をしっかり意識し、
自分がこれまで行ってきた、或いはこれから行うであろう
“選択”に思いを致したとき、
心が震えました。


「インターステラー」は、
☆2.5です。