荒れた砂漠。
エンジンの轟音。
迫りくる敵。
そしてめぐり逢い。
二人は出会います。
主人公はトム・ハーディ演じるマックス。
マックスは逃げている人です。
なぜ逃げているのかはっきりとは分かりませんが、
大抵の人は何かから逃げているものですから、
共感できるはずです。
とにかく逃げています。
5月病はなんとか乗り切ったけど、
ボーナスがほんのキモチ出たので、
6月末に急に会社から逃げてみた……
というような生易しいものではなくて、
“死ぬ気”で逃げています。
一方、ヒロインはシャーリーズ・セロン演じるフュリオサ。
フュリオサは“約束の地”を求めている人です。
“約束”は“希望”という言葉に置き換えてもいいでしょう。
こちらも中二病に罹っている訳ではありません。
“死ぬ気”で約束の地を求めています。
さて、なぜ“死ぬ気”なのか。
“死ぬ気”じゃないと本当に死ぬからですね。
彼らがいるのはそういう世界です。
奇抜なクルマ。
白塗りの男たち。
かき鳴らされるエレキ。
そしてめぐり逢い、じゃなくて殺し合い。
どこまでも続くマッドな世界……
“約束の地”の存在も疑わしくなってきます。
となりゃ、ええい、ままよ!
男と女が行き着く先はただ一つ。
セックスだ! “死ぬ気”でセックスだ!
と思いましたよ私も。
でもそうじゃないんですね。
二人は最初から求めている場所が違いますから、
交わることもないんですね。
一本筋が通っておりますよ。
こういうことにちゃんとしていない人は
後で泣きを見ますからね。
その代わり、と言ってはなんですが、
あることをします。
それはセックスではないけれども、確かに
“生の共有”でした。
よくできた映画です。
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は、
☆3つ!