以前、飛行機の整備工場を見学しに行ったところ、
そこにカバーを外されたエンジンが置いてありました。
バケモノでした。
当然でかいわけです。とんでもなくでかい。
まあそれは飛行機に乗るときなんかに
ちらっと見ただけでも分かるのですが、
そのでかいものが剥き出しの状態、
つまり内臓丸見えの状態で
でーんと構えているとですね、
これはもう“機械のバケモノ”なのです。
私の場合こういったものを見ると、
デデンデンデデン、デデンデンデデン、
ラリラ~~ラ~リ~ラ~
頭の中にあのテーマソングが流れるんですね。
さて、
「ターミネーター」のキモはこの
“機械の恐怖”であります。
機械油のにおい。
重量感。
剛性感。
暴れ出したら止まらないという威圧感。
あの整備工場で感じた“機械の恐怖”が、
画面からしっかり伝わってくること。
これこそ「ターミネーター」の核心でした。
2作目になると、
趣向の違う恐怖が現れます。
それまで剛性感を持っていた個体が、
今度は水銀状の液体となり形を変え、
再度個体に戻って人を襲う…
“変幻自在の恐怖”であります。
当時は、フライパンの上で転がる
表面張力バリバリの水滴を見ると、
デデンデンデデン
あの音楽が流れたものです。
本作「ターミネーター 新起動/ジェニシス」にも、
“機械の恐怖”と“変幻自在の恐怖”は登場します。
そしてまた新たな恐怖も登場します。
がしかし……
これがよくわからない代物なのです。
映画の中で説明はされたのですが、
その説明が頭に入ってきませんでした。
おそらく、この先何かを見たときに、
この恐怖を追体験して、
デデンデンデデン
が流れることもないのでしょう。
“例えようのない恐怖”なのだと言われれば
そうなのかもしれませんが、
少し寂しい気もします。
「ターミネーター 新起動/ジェニシス」は、
☆2つです。