原作、脚本、監督はすべて西川美和さん。
西川さんのセンスが光る作品です。
物語は、
医者が村から逃げた!
というところから始まります。
医者は無資格でした。
どうしてニセ医者になったのか?
どうして逃げたのか?
という辺りがドラマの核となりますが、
こうしてニセ医者になりました。
だから逃げました。
という、わかりやすい説明はありません。
観客にじっくり考えてもらい、味わってもらおうというスタンスなのでしょう。
最近の映画は説明しすぎだ!
と、ある有名監督が言っておりましたが、
西川美和さんもこの意見に賛同するお一人なのかもしれません。
それは、月刊シナリオ誌に掲載された脚本にも表れているようです。
例えばこんなセリフのやりとり。
かづ子「え?(あんた知らなかった?)ずっとそうでしょ」
りつ子「でも○○だよ、あれ」
かづ子「……。(見たの、と苛むように)」
りつ子「(見たわよ)」
(かっこ)が多いですね。
セリフとして観客の耳に入るのは「え、ずっとそうでしょ」「でも○○だよ、あれ」
だけです。
これだけでニュアンスは伝わるので、
「見たの?」「見たわよ」なんて俳優さんが喋る必要はないというわけですね。
説明しすぎないようにという配慮を感じます。
う~ん…何なんでしょうか。この感覚は。
おそらく私が卑屈なだけだとは思いますが、
この映画からこんな声が聞こえてくるような気がしたんですね。
「説明はしないけど感性豊かなあなたなら分かりますよね?」
卑屈ですね。
コンプレックスの塊である私のような人間にしか聞こえない声です。
それでは卑屈ついでにお答えしようと思います。
分かりません!
説明しすぎないようになんて配慮は無用なのです。
そんなことよりも、
ドキドキが半端ない とか
はらはらと涙がこぼれる とか、そういう
「わかりやすい」映画体験を
私は欲しているのです。
そのために必要な説明ならしてください。
(かっこ)つけてないで。
「わかりやすい」中毒患者がディア・ドクター
に点をつけるとこういうことになります。
☆1つ