2009年10月16日 | 写真を始めたきっかけの話

写真を始めたきっかけの話

一緒に過ごした時間は5年
会えなくなって9年。
いつの間にか、いなくなってしまった時間の方が長くなっていた話。

福島に帰った。

 

バイト後、誰だったかな。

たてきさんだった気がする。

少し、一緒に飲んだような本当に優しい人だと感じた。

 

朝、学校に行った。

全く覚えていないが間違いなく行ったと思う。

そういう感覚が残っている。

 

帰る途中の新幹線も覚えていない。

 

実家に戻ると茨城のじいちゃんがいた。

秋の田んぼの稲刈りの時期で毎年手伝いに来てくれていた。

母親から話は聞いてくれていて、

そのまますぐ、礼服を買いに行った。

 

値段も、サイズも何もわからず、

流れに身をまかせる時間だった。

きっと高かったあの礼服はあの時一回きりしか着ていない。

 

夜、電車で通夜に向かった。

電車の中で、修平とあった。

ネクタイも真っ黒ではなく、少し柄が入っていた。

意外と冷静で、なんてことないものをずっと覚えているものなんだろう。

冷静というよりも何もまだ感じることはなくて、

1つひとつの行動だったり言葉ですら作業的で、

1つの大きすぎる物事に対して時間が流れていくのと同時に

そこから外れてはならない、外れないように向かっているだけなのだと思う。

外れて欲しい。そういう気持ちですら生まれないくらい。

 

 

本宮駅で誰かが車で拾ってくれて、

それに乗って彼の家に向かった。

その車の中からみたものは、

初めての景色で、

でも彼にとってはいつもの景色で、

それに触れたことがなかったんだなと、

こんなことで触れることになるなんて、考えてもみなかった。