社内システム管理者の経験によるパソコン(Windows10)/ネットワークのトラブル対応

社内システム管理者の経験によるパソコン(Windows10)/ネットワークのトラブル対応

大阪で社内SEとして、社内システムの保守・開発やIT機器やネットワークの整備・管理をしています。
実際に起きたパソコンやネットワーク機器のトラブルを中心に対応方法を掲載していきます。
皆さんの参考になればうれしいです。

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引き続きパソコンの状態を調べよう

前回はメモリー中心に記載しましたが、今回はそれ以外の原因について記載します。

1.ディスクの使用率が高い状態

前回記載のタスクマネージャの『パフォーマンス』タブのディスクの使用率が高い状態で遷移している場合、大量のディスクアクセスが原因です。

タスクマネージャ

 

リソースモニターの『ディスク』タブでディスクの読み書きが多いプロセスを特定しましょう。

『合計』をクリックすると読み書きの多い順に並べ替えられます。

リソースモニター

該当するものがOfficeやインストールしたアプリケーションの場合、終了しても問題ないのなら終了して改善するか確認しましょう。

該当するものが「System」や「svchost.exe」の場合、Windowsシステムのプロセスが原因ですので、次の「自動メンテナンス」と「SysMain」の2点を確認しましょう。

2.自動メンテナンスの実行を確認

自動メンテナンスは、システム診断やセキュリティスキャン、デフラグなどを自動実行する機能です。

実行中はパソコンに負荷がかかりますので、実行中なら停止して改善するか確認しましょう。

タスクバーの検索窓に「コントロール」と入力し、検索結果の一覧からコントロールパネルを選択

 

②コントロールパネルの『セキュリティとメンテナンス』をクリックして『メンテナンス』をクリックして展開

自動メンテナンス

「メンテナンスは実行中です」となっていれば、『メンテナンスの停止』をクリックして停止します。

 

3.SysMainサービスを停止する

SysMainは、高速化の機能です。

ディスクの読み書きを含む多くの処理を実行しますが効果が疑問視されていますので、無効にして改善するか確認しましょう。

タスクバーの検索窓に「サービス」と入力し、検索結果の一覧からサービスを選択

 

 

②SysMainの状態が実行中なら、『SysMain』のサービスを右クリックして『プロパティ』を選択

SysMain

 

③スタートアップの種類を『無効』、サービスの状態を『停止』して『OK』をクリック

SysMain

 

 

 

4.電源プランを変更してパフォーマンスを上げる

最後に、電源プランを変更してパフォーマンスを上げる方法を紹介します。

ただし、普通では変更できない裏技ですので、実施する場合は自己責任でお願いします

なので、アメンバー限定で公開します。

電源プランを変更してパフォーマンスを上げる

 

 

以上で、Windows10のパソコンが遅いときの対処方法に関する記事はいったん終了です。

何か新しい情報でもあれば更新します。

皆さんの参考になれば幸いです。

 

 

【前回】

パソコンが遅いときの対処方法(根本的に対応する編2)

 

パソコンの状態を調べよう

大量のファイルのコピーやアプリを実行していないのに日常的にパソコンが遅いと感じたら、メモリやディスクなどの状態を確認して原因を探しましょう。

今回は『パソコンの状態を調べる』方法と、どのように対応するかをメモリー中心に記載します。

 

1.タスクマネージャーで状態を確認する

タスクマネージャーでCPUやメモリ、ディスク、イーサーネット(通信)の状態を確認できます。

①スタートメニューを右クリックで開き【タスクマネージャー】を選択

※パソコンが遅くて操作を受け付けない場合は、【Cntl】+【Alt】+【Delete】キーを押して画面が切り替わったら【タスクマネージャー】を選択する方法で起動を試みましょう。

 

『パフォーマンス』タブを選択

タスクマネージャー

高い使用率で推移し続けている場合、その項目で負荷がかかりすぎていてパソコンが遅くなっています。
経験上、特に重要なのはメモリとディスクです。

 

2.多くの原因はメモリ不足によるスワップの頻出

タスクマネージャーでメモリとディスクの両方の使用率が高い状態で推移している場合、多くの原因はメモリ不足です。
ここで、専門的な話をチョットします。
メモリとディスク(HDDやSSD)は密接に関係しています。
パソコンは、OSやアプリのプログラムやデータが保存されているディスクからメモリに展開して処理をします。
メモリ容量が不足する場合は、不足分を補うためにディスクをメモリの退避場所として使用し、利用頻度の低いデータをディスクに退避させます。
この機能を仮想メモリーと呼びます。
物理メモリーが少なく仮想メモリーの使用量が増えると、メモリとディスク間のデータの退避と復帰のスワップ(交換)処理が大量に発生します。

そのためディスクへのアクセス頻度が増え、ディスクのアクセスランプが点滅しっぱなしになります。

この場合、メモリとディスク両方の使用率が上がり、常に高い状態で推移しますので、パソコンの動作が遅くなります。

搭載しているメモリーが少ない場合は、まずスワップを疑いましょう。

 

3.メモリの状態を確認する

タスクマネージャーの『パフォーマンス』タブからメモリの状態を確認します。

『メモリ』を選択

タスクマネージャー

注視すべき項目の説明は以下の通りです。

①搭載している物理メモリー容量
②物理メモリーの使用中の量
③物理メモリーの未使用の量
④①の物理メモリーと仮想メモリーに割り当てられたメモリー領域の合計
 ・左側が使用中の量
 ・右側が利用可能な総量

 

上の画面例を図に表すと以下のようになります。メモリー図解

搭載している物理メモリー8Gbyt(図中①)のうち4.5Gbyt(図中②)と、仮想メモリー1.2Gbytのうち0.7Gbytを合わせて、メモリー領域5.2Gbyt(図中④)を使用しています。

物理メモリー(図中①)よりメモリー領域使用中の量(図中④)が下回っていれば問題ありません。

逆に大きく(2倍くらい)上回っていればスワップが発生しやすくなるため、パソコンは遅くなりやすいです。

 

4.リソースモニターでスワップの量を確認する

スワップがどのくらい発生しているかはリソースモニターで確認できます。

『リソースモニターを開く』をクリック

タスクマネージャー

 

『メモリ』タブを選択

リソースモニター

リソースモニターの右下のハードフォールトのグラフはスワップの発生量です。

上の画面例では、Excel起動時に一時的に高くなりましたが、それ以外はほとんど発生していません。

左上の一覧のハードフォールトでは、各アプリのスワップ量がわかります。

 

5.メモリーの空きを確保してパソコンの遅さを改善する

説明してきたように仮想メモリーの使用量が増えスワップの発生量が多い場合、不要なアプリを閉じてメモリーの空きを確保することでパソコンの遅さを改善します。

そのために以下のことを実施して、タスクマネージャーとリソースモニターがどのように変化し改善されるかを確認しましょう

  1. 不要なアプリを閉じる(最小化にしても効果がある)
  2. 不要なウェブブラウザのタブを閉じる
  3. 通知領域に常駐している不要なアプリを止めるかアンインストールする
  4. バックグラウンドアプリやスタートアップアプリを止める(「てっとり早く、とりあえず試してみよう編」参照)

 

6.最後はメモリーを増設する

不要なアプリを閉じてもスワップの発生量が改善されない場合は、メモリーの増設を検討しましょう。

Windows10(64ビット)のメモリー必要条件は2Gbyt以上となっていますが、これはWindows10を起動できる最低の容量というだけで、快適に動作する容量ではありません。

最低でも4Gbytは欲しいところです。

用途によりますが8Gbytあれば快適に動作します。

搭載メモリーが多いほど、起動時間が短く、複数作業にも耐えらますので、予算と相談してメモリーを増設しましょう。

ちなみに、僕のノートパソコンはメモリを4Gbyt増設(約3,000円)して合計8Gbytになっていて今のところ快適です。


 

 


【次回予定】

パソコンが遅いときの対処方法(根本的に対応する編3)

 

【前回】
パソコンが遅いときの対処方法(根本的に対応する編1)