毒兄 71 | 嵐ちゃん大好き~妄想物語! くるとんのブログ

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基本、潤担ですがメンバーみんな大好き!
下手くそながらお話作っとります(o^-^o)
潤くん絡みのお話達…

翔潤
末ズ
じいまご
モデルズ

お暇なら是非覗いてみてね


ニノと一緒にずっと待ってた
潤が現れるのをずっと待ってた

腹が減ってもいい時間なのに
何も食いたくない
何も飲みたくない


ただ
潤を待つことしか考えられなかった





「なんで…いるの…翔くん」




か細い声で名前を呼ばれて
明らかに俺が知ってる潤とは違っていて
顔も体も潤なのに
目の前にいるのは俺の潤ではない





「お疲れ、二人とも座って」




ニノが二人を座るように促すと
潤はなぜか俺の隣ではなくて、ニノの隣に座る
俺の隣には…智くんが座った


二人とも何も話さないから、見かねたニノが飲み物を頼んで
智くんは運ばれてきたコ-ヒ-を口に運ぶ

その手には包帯が巻かれていたけど
痛くないのか普通にカップを握っている




「潤くん、飲める?」
「うん」


返事はしたけど飲む様子はなかった
俯いたままで
俺の顔も智くんの顔も見ようとしない潤




「手、大丈夫?ちゃんと看てもらった?」
「うん」

「痛くない?みんな心配してたよ」
「そう」

「明日、無理だったら仕事休んでいいからね。課長には話しておくからさ」
「うん」



ニノが一生懸命話してるのに
空返事ばかりで
その様子に段々と苛立ちを感じ始めてきた
みんな、本当に心配してるのに


我慢ができなくなった





「潤、いったいどうしたんだよ?何でケガしたんだ?!」
「…。」

「何があったか説明してくれ!知る権利が俺らにはあると思う」
「知る権利って、何を?」

「全てを!何が起きてるのか全部話してくれ!」
「…それを聞いて何か変わるの?」


「いいから話せ…えっ!?」



ビクッとした
体に電気が走ったような
いや、違う
これは…悪寒だ
恐怖を感じたんだ、潤が俺を見上げた表情に




「わかった。話す」
「…。」


「まず、これは…このケガは自分でしたこと。自分で自分を刺しただけ」

「どうして、そんなこと。潤くん」



何も話せない俺に代わり、ニノが聞いてくれる




「お兄ちゃんに会えたから」
「もしかして大野さんに何か言われたの?翔ちゃんといることを責められたりしたとか?」

「違うよ。気にしてなかったみたい。僕が誰と何をしていても気にならないみたい。前はあんなに執着してたくせにね。不思議でしょ?」
「潤くん?」

「こっちは必死で、ケガでもすれば報われるかと思ったのにこれだもん。結局は僕のことなんてどうでもいいみたい」
「潤くん、何を言ってるの?」


「何を言ってるのかわかんない。もう何もわかんない。僕は…何をしてるんだろう」



潤の瞳に涙が滲んでいく
大きな瞳からポロポロと溢れる涙をぬぐいもせず
呆然と正面を見据える
ただ…視界には何も映してない
向かい側に座る智くんのことも
もちろん、俺のことも見ていない





「潤、とにかく俺と帰ろう」




堪らず声を掛けた
このままじゃダメだってわかるから
何もかもが崩れてしまうとわかるから





「翔くんのとこに?僕の行く場所は翔くんのとこなの?」
「そうだよ。俺のとこに来るんだ。俺がずっと守るから一緒に行こう」


「お兄ちゃんは…?」




潤が智くんに答えを求める
すがるような瞳で智くんを見つめる




「翔くんといることが潤の幸せなんじゃないかな」
「お兄ちゃん」

「翔くんならお前を笑顔にできる。俺はそう思う」
「…そう」



潤は両手で顔を覆って
深呼吸をした

俺も智くんも見ていることしかできなくて
ニノだけは潤の背中を擦っていた





「ちょっとトイレ行くね。顔がぐちゃぐちゃだ」




潤が立ち上がったから俺も立ち上がる



「一緒に行くよ」


一人にはできない
例えトイレだとしても一人にするわけにはいかない





「大丈夫。顔を拭きたいんだ、それにまだ話しは終わってないでしょ。だから待ってて、何か食べる物頼んでおいてよ。お腹空いたし」




潤は立ち上がった俺を制止して
その場を立ち去った



気まずい雰囲気が三人を取り巻く





「大野さん、潤くんは…普通じゃないよね?」
「…わからない」

「どの潤くんが本物なの?」
「俺にもわからない」

「どうするの?これからどうするのよ」
「俺は…何もできないっていうか、するべきじゃない。潤の側にいるべきじゃない。だからこれからは翔くんが潤の側に…」


「そんな簡単な問題とは思えない」




ニノの言うことはもっともだけど
やっぱり今は
潤を連れて帰りたい
俺ができることは何でもしてやりたい


抱き締めて
おもいきり抱き締めて暖めてあげたい



メニューをもらって、潤の好きそうな物をいくつか頼んで
俺たちは潤を待った


どれくらい経ったんだろう
店員がカニクリ-ムコロッケを運んできた時に
時間の長さに気づく




「遅い…、変だ!!」




ニノが慌ててトイレに駆け込んで
すぐに戻ってきた
戻ってきたニノの顔は真っ青で
手には血だらけの包帯が握られていた




「潤くん、いなくなっちゃった」




唇を噛み締めて泣き出すニノを
黙って見てることしかできなかった
すぐに追い掛けたら捕まえられたかもしれないのに
俺たちは
呆然と立ち尽くすだけだった