伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズ「グラスホッパー」と「マリアビートル」を読んだ。
どちらも読むのは二回目。

一作目「グラスホッパー」
ひょんなことから謎の殺し屋「押し屋」を追うことになった元中学校教師。
そこに、標的を自殺へ追い込む殺し屋、ナイフ使いの殺し屋、ヤクザ組織も絡んでくる、という話。
作品のwikiページ曰く、2004年当時伊坂さんがもっとも手応えを感じた作品、だとか。
その後の作品のほうを先に何冊か読んでたせいか、グラスホッパーでそこまでのものを感じられなかった。
普通に面白いんだけど、普通。


「マリアビートル」
東京発・仙台行きの新幹線に乗り合わせた殺し屋たちの物語。
グラスホッパーの続編だけど、話ががっちり繋がってるわけではないから、こっちだけでも大丈夫。
でもどうせなら前作読んでおいたほうが楽しめるし、伊坂さんも喜ぶ。
殺し屋がごろごろ出てくる作品のなかで、悪役は男子中学生。
この男子中学生がムカつくんだ。
単純にキャラとしてもムカつくんだけど、他の殺し屋パートは新幹線内の話だけでテンポよく進むのに比べて、中学生パートは終盤まで過去話が多くてテンポ悪くしてる。そしてムカつく。


このあとネタバレ


ムカつく奴だけど、やっぱ中学生だし、そこまで罰することはできないんじゃないかと、読んでてそこが一番不安だった。
けど、それまでの鬱屈した気持ちを晴らしてくれるほどコテンパンにしてくれた。
超スッキリ。

グラスホッパーは実写化したけど、マリアビートルはどうだろう?
この中学生を実写にするのは問題ありそう。
かといって問題なさそうな年齢まで上げたら、ただの中二病。

中学生が各キャラに尋ねていく「どうして人を殺してはいけないのか」の最後の答えが素晴らしかった。


最近、荒木飛呂彦さんのホラー映画論を読んでるんだけど、解説が面白くて、いろいろとホラー映画が見たくなってくる。
そういう、見たくなる、読みたくなる紹介文が書けるようになりたい。
今日のは5点くらいだ。