亡くなっても忘れられないカラカル、福山市立動物園のカール氏。

 

彼は南アフリカ共和国の出身で2009年2月生まれ。訃報を伝える同動物園公式ホームページの記事によると、ヨハネスブルグ動物園から2011年の1月に来園したそうです。

 

ヨハネスブルグ動物園の公式ホームページを見てみると、現在もカラカルは扱われているようです。ルーイキャット、あるいはロイカット(現地語で「赤い猫」の意)と呼ばれ、おなじみの動物なのだそう。家畜を襲うため駆除されてしまうこともあるのですが、近年は啓蒙活動が進んでいるとのことです。

 

大好きだったカール氏の生まれ故郷、ヨハネスブルグ動物園に私も行ってみたい。今はすっかりおとなしいアラフォーになりましたが、学生時代はバックパックを背負ってインドをひとり旅していました。あのバイタリティがあれば、行けないわけがない。

 

と思って調べてみましたが、治安に関しては悪名高いヨハネスブルグの街。外務省のサイトによると、現在のところレベル2。「不要不急の渡航中止」です。気軽にふらっと行ける場所ではありません。首絞め強盗に遭った日本人もいるのだそうです。カージャックの危険性もあり、信号でも車が止まれない、という話も聞いたことがあります。

 

そんな激動の街からあの穏やかなカール氏がやってきたなんて、なんだか意外な気がします。日本の、それも備後の秘境(?)に馴染んだからかもしれませんが。

 

私もおいそれとはヨハネスブルグ行きを諦められないので、動物園だけ行く外国人向けのツアーはないかなど今後も調べてみます。理想としてはカラカル好きを募ってツアーをアレンジしてもらい、一日中カラカルを観察して過ごしたい……。

 

さて、実際のヨハネスブルグ動物園カラカル舎はどんな感じなのか。見に行った人の記録や写真はないかなども検索してみました。

 

こちらが、2011年9月に同動物園を訪れた方の写真。「Joburg Zoo」はヨハネスブルグ動物園のことです。レンガを基調としたカラカル舎。2頭が同居していますね。カール氏がすでに日本へ旅立っているタイミング。彼らはカール氏の両親かきょうだい、親戚か、あるいは関係ないカラカルなのか。顔や体格の似具合では判別がつかず、この写真からはわかりません。もう1枚の写真では、シュッとしたカラカルが横切っています。

 

そしてこちらは、1994年9月5日に撮影されたヨハネスブルグ動物園のカラカル。このカラカルはアンゴラのルアンダ動物園出身ですが、当時の激しい戦闘のためヨハネスブルグ動物園に避難させられたそうです。この個体はカール氏のご先祖様なのだろうか。南アフリカにはカラカルがたくさんいるので、そうとは限らないかもしれないですね。

 

Googleマップのストリートビューで、ヨハネスブルグ動物園を訪れることもできます。右下のオレンジ色の人形をドラッグして動物園の敷地内にドロップすると、いたって平和そうな、広々とした公園が登場します。

 

動物園内の撮影時期は2010年4月(2024年1月現在)。ということは、この晴れた空の下のどこかに、当時1歳だったカール氏がいるということですね! 園内をエア散策してみましたが、どこにカラカル舎があるのかは見つけられていません。道中、遠足らしき子供たちもいて、ここだけ切り取れば治安の悪い街には見えないですね。

 

(カール氏の一人娘・クルン)

 

カール氏には2014年に生まれた子(愛称クルン・♀)が姫路市立動物園にいますが、他に彼のきょうだいや親戚、血縁のカラカルさんがいるなら会ってみたいです。今後もカラカルの耳のようにアンテナをクルクルさせて、機会をうかがいたいと思います。