昨日、信じがたいニュースが飛び込んできました。

 

(動物園の公式HPでの発表記事はこちら)

 

あのカール氏が……。急なことで頭がついていかず、昨日はずっと「何かの間違いなんじゃないか?」「嘘だ、誤報だって言ってよ!」と思っていました。夜、寝ようとしても涙が止まらず。先月、2回会っていてよかった。それでも、愛しいカール氏にはまだまだ会いたかったのに。

先月中旬のカールさん。丸太の下で哲学をするかのような表情で佇んでいました。過去にこんな姿は見たことがなく、「前なら歩き続けていたのに、老齢でお疲れ気味なのかな?」と思っていましたが。公式HPの発表によると、やはり活力の低下が見られ、検査し治療も受けていたのですね。

 

カール氏は私に、「命はなぜ尊いのか」「愛とは何か」を言葉を使わずその濃褐色の背中で教えてくれました(その時の雑感はこちら)。拙い言葉でひとことで言うなら、カール氏とともにいた時空間そのものが愛でした。たとえ振り向いてくれなくても、ともに力強く生きていることが。今はもう、思い出となってしまいましたが。

カールさんのつぶらなつり目とおにぎり型の顔が好きだったなぁ。後ろ脚のシマシマ模様も好きでした。あと耳の裏の黒い毛に白いものが混じっている、ダンディな紳士みたいなところも。

 

ネコ科動物は人類と比べると、その寿命もまるで駆け抜けるかのように早いですね。カール氏が日本にやって来たのは12年前、2歳になる少し前のことだそうです。もっと早くカラカルと出会っていたら、と思いますが、出会えただけでもありがたい。

 

勝手にリンクを貼ってしまい申し訳ないですが、来園して間もないころのカール氏を見た方のブログによると、彼は警戒心が強くて威嚇しまくっていたそうです。次第に慣れて、あのゆったりした紳士なカール氏になったのだろうな。

 

福山市立動物園の公式YouTubeチャンネルから。当時10歳のカール氏。ファンの方の差し入れてくれたボールで遊んでいます。

 

 

カール氏はかっこよくもあり、かわいくもあったな。最後に会った日も、こんな風に箱から顔を覗かせていました。まばたきで挨拶をし、耳を前後にピャッピャッと動かしてくれたのが私にとって彼との最後の会話(?)となりました。

 

テレビで取り上げられたことがあるカール氏の鳴き声も、公式Xから貼っておきますね。

この渋い声がもう直接聞けないのだと思うと、寂しくてたまりませんね。

 

カール氏と過ごした時間はとても尊いものでした。コロナ禍や友人とのトラブルでやさぐれていた私が「それでも、生きるって捨てたもんじゃないな」と立ち直るきっかけを与えてくれた、いわば恩猫です。

 

思ったより短い時間だったな。それでも、カール氏が苦しむ時間も短くて済んだのなら、救いかもしれない。

 

 

カールさん、ありがとうございました。もしお互い生まれ変わることがあったら、また会いましょう。